英国防省は28日、ロシア軍がウクライナ侵攻作戦で急速に戦力を消耗していると分析し、軍の「空洞化」が進んでいるとの見方を示した。ロシア軍は死傷するなどして戦線を離脱した幹部の不足を補うため、退役将校や予備役を登用。東部ドンバス地方などでは戦闘能力が低下したまま消耗戦を展開しているが、「長期的には持続不可能」とみられている。  ウクライナ軍によると、ロシア軍は24~28日に巡航ミサイル130発以上を発射した。27日には中部クレメンチュクの商業施設に旧ソ連製の長距離対艦ミサイルが着弾し、市民約20人が死亡。報道によれば、29日にも南部ミコライウで集合住宅が攻撃され、少なくとも3人が死亡した。  東部の要衝セベロドネツクを制圧したロシア軍は、隣接するリシチャンスクの攻撃に移行している。米シンクタンク「戦争研究所」は報告書で、ウクライナ軍が「戦いながらの撤退」を行っている可能性が高いと分析。近くリシチャンスクを放棄し、西方のセベルスクやスラビャンスク、クラマトルスクを拠点として態勢を立て直すことも視野に入れていると指摘した。  同研究所は、ロシアが国民総動員をかけずに消耗した戦力を補充する方策を模索しているとも分析した。米国防総省高官の話として、特に深刻化している将校の不足を補うため、退役者や予備役に依存しつつあるとの見方を示した。  一方、タス通信は29日、ロシア占領下にあるウクライナ南部ヘルソン州当局がロシアとの併合の是非を問う住民投票実施に向け、準備を始めたと報じた。ロシア当局は28日、協力を拒んだとして、州都ヘルソンのコリハエフ市長を拘束した。 【時事通信社】 〔写真説明〕戦車で移動するウクライナ軍兵士=23日、ウクライナ東部ルガンスク州(AFP時事)