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欧州でコロナ再び増加=バカンス前に警戒強化


 【パリ時事】夏のバカンス時期を間近に控えた欧州で、新型コロナウイルスの感染が再び拡大しつつある。フランスのメディアによると、主流となっているのはオミクロン株の新系統「BA.4」と「BA.5」。感染力が強い一方、重症化リスクが高まったことを示す兆候はないとされる。ただ、感染者が増えれば医療の逼迫(ひっぱく)につながる恐れがあり、各国政府は警戒を強めている。  仏保健省によると、24日に確認された過去24時間以内の新規感染者は約7万9000人と、1週間前に比べて約57%増加した。ワクチン接種済みと未接種の人の陽性率はほぼ変わらないという。AFP通信によれば、感染症専門家は感染拡大の原因について、ワクチン接種から時間がたち予防効果が薄れていることや、新系統が免疫を回避する能力を高めていることが考えられると分析している。  仏政府に助言を行う科学評議会の会長は今月中旬、仏ラジオに出演し「コロナと共存するという方針を変えるべきではないが、60歳以上の高齢者は極めて迅速に追加接種を受けるべきだ」と呼び掛けた。  イタリアでは、25日に確認された過去24時間以内の新規感染者数は約5万6000人。1週間前の約3万5000人から大幅に増加した。  ANSA通信によると、伊政府は今月中旬、映画館や劇場でのマスク着用義務を解除する一方で、公共交通機関や病院では9月末までマスク着用を義務付けると発表した。スペランツァ保健相は追加接種を促し、「引き続き自分の身を守ってほしい」と訴えた。  世界保健機関(WHO)によれば、ドイツでは今月下旬に入り、1日当たりの新規感染者が10万人を超える日が続いた。英国でも1万6000人を超えており、増加傾向にある。 【時事通信社】 〔写真説明〕新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるフランスのブルギニョン保健相=23日、パリ(AFP時事)
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