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ウクライナ軍撤退「ノーコメント」=東部要衝めぐり報道官


 ウクライナ国防省報道官は24日、ロシア軍が猛攻を仕掛ける東部ルガンスク州の事実上の州都セベロドネツクから、ウクライナ軍が撤退したという情報があることについて「何も話せない」とノーコメントを貫いた。「防衛作戦を邪魔する必要はない。ウクライナ軍を信じてほしい」と発言するにとどめた。  ウクライナ側はこれまで、多大な人的被害を出しながらも、セベロドネツクは防衛できていると表明してきた。報道官の慎重姿勢は、戦況が重大な局面を迎えたことを示唆している。  ルガンスク州のガイダイ知事はこれより先、ウクライナ軍が「既に命令を受けている」「新しい、より強固な拠点へ移動することになる」と述べ、撤退は不可避との認識を表明。従軍取材する地元記者も「(陣取っていた)工業地区の一部から未明に撤退した」と明らかにしていた。  セベロドネツクが陥落すれば、州内でウクライナ軍が管理する地域は、ドネツ川対岸のリシチャンスクのみとなる。別の地元高官は米政府系放送局に「現時点でリシチャンスクからの撤退はない」と主張した。  プーチン政権は2月24日の侵攻開始後、北部キーウ(キエフ)州などの制圧に失敗。「独立国」として承認した二つの親ロシア派の支配地域を、ルガンスク州とドネツク州から成る東部ドンバス地方全域に広げることに注力している。  この他、ロシア軍は南部へルソン州なども占領し、ゼレンスキー政権に圧力をかけている。欧米から供与された重火器でウクライナ軍が増強される前に作戦を急ぎたい考えとみられる。 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ東部ルガンスク州で立ち上る黒煙=23日、リシチャンスク郊外(AFP時事)
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