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EU、「候補国」認定で連帯重視=ウクライナ、早期加盟は見込めず


 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)が23日の首脳会議で、ウクライナを「加盟候補国」に認定した。申請から異例の早さで、強い連帯姿勢を示した格好だ。ただ、これは長い加盟手続きの第一歩にすぎない。EU内には東方拡大への慎重論も根強く、ウクライナが望む早期加盟は見込めないのが現実だ。  ◇歴史的瞬間  「特別で歴史的な瞬間だ」。ロシアの侵攻で危機にひんし、EU入りに活路を求めたウクライナのゼレンスキー大統領は認定を歓迎。EUのミシェル大統領は「われわれの未来は共にある」と呼びかけた。  ウクライナが2月末に加盟申請した当初、ポーランドやバルト3国が速やかな候補国認定を支持したが、通常は数年かかることもある認定の例外扱いに難色を示す加盟国は少なくなかった。  しかし、欧州の民主主義陣営のとりでとして勇敢に戦うウクライナを前に各国は姿勢を転換。マクロン仏大統領は「手を差し伸べなければ政治的過ちを犯すことになっていた」と認め、決定は「ロシアへの強いシグナルだ」と強調した。  ◇「幻想」に警鐘  一方、今後の手続きはEU加盟の基準を満たすための改革の度合いに応じて進められる。欧州委員会はウクライナにさらなる汚職対策や司法の独立性確立、オリガルヒ(新興財閥)の影響力排除を要求。正式な加盟交渉入りにもまた全加盟国の承認が必要となる。  直近のクロアチアは、候補認定から2013年の加盟まで約9年を要した。また00年代以降に申請したセルビアなど西バルカン諸国の加盟手続きは停滞。14年に候補国となりながらいまだ交渉入りできず不満を募らせるアルバニアのラマ首相は「幻想を抱かないよう望む」と、ウクライナに長期化への心構えを促した。  ◇EU外で連携も  EUでは加盟国が27カ国に膨らみ、合意形成の困難さが鮮明化。「古参」の西欧諸国と旧共産圏のハンガリーやポーランドなどとの溝が生じていることも、新規加盟停滞の背景にある。  特に人口4000万人超のウクライナが総人口約4億5000万人のEUに入れば政治バランスの変化は必至で、EUは重い決断を迫られる。  ウクライナ加盟まで数十年かかる可能性も挙げるマクロン氏は、EUとは別枠でこうした非加盟国と加盟国の連携を深める「欧州政治共同体」を創設する構想を打ち出している。加盟を急がぬ一方、ロシアの圧力もけん制する打開策で、「近隣地域を安定化させる迅速な手段を考えなければならない」と主張する。  ただ、候補国は「EU加盟の代替にすべきではない」(北マケドニア)と警戒。加盟国にも懐疑的見方が出ている。戦争長期化でウクライナの今後に一段と不透明さが増す中、EUには認定を「空手形」に終わらせない覚悟も問われそうだ。 【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領=21日、キーウ(キエフ)(EPA時事)
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