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大統領側近キリエンコ氏に存在感=ウクライナ占領地責任者―「後継者に意欲」見方も・ロシア


 ロシアのプーチン大統領の側近の一人、キリエンコ大統領府第1副長官(59)が存在感を増している。ウクライナ侵攻開始後、東部ドンバス地方の親ロシア派などを担当する責任者に就任。7日には南部と南東部の2都市を訪問しており、ロシアへの編入が取り沙汰される占領地の将来のカギを握るとみられている。  独立系メディア「メドゥーザ」が8日に伝えたところによると、政権で影響力の強い「シロビキ」(軍・治安機関出身者)が9月のロシア統一地方選の延期を主張する中、キリエンコ氏はこれに異を唱え、予定通り実施するようプーチン氏を説得。2人の距離は一層縮まっている。  「ロシアには使命があり(ウクライナでの)行動は正しい」とも発言。「常に大統領の目の前で喜ばれることを話す」(政権関係者)と評され、プーチン氏の後継者になることに意欲的との見方もあるという。  キリエンコ氏は5月4日、プーチン氏が「制圧」を宣言していた南東部マリウポリを訪れた。今月7日にはロシア通貨ルーブルの流通が始まった南部ヘルソンと南東部ザポロジエ州メリトポリを現地視察。実効支配の固定化に向けた「住民投票」の可否や時期を探っているもようだ。  メドゥーザは5月24日にも関係者の話として、政権内部で「プーチン後の将来」が話題になっていると報道。後継者になり得る人物として、モスクワのソビャニン市長、メドベージェフ前首相、そしてキリエンコ氏の3人の名前が挙っていると伝えていた。  キリエンコ氏はエリツィン政権下の1998年、史上最年少の35歳で首相に就任したが、金融危機を受けて解任。国営原子力企業ロスアトム社長などを歴任した。2016年、内政を統括する第1副長官に着任。15年に暗殺された野党勢力の故ネムツォフ元第1副首相に近かったことでも知られている。 【時事通信社】 〔写真説明〕ロシア大統領府第1副長官のキリエンコ氏=2020年4月、モスクワ(AFP時事)
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