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スイスもNATO接近か=オーストリアは中立堅持―ウクライナ侵攻で欧州に動き


 【パリ時事】ロシアのウクライナ侵攻を受け、これまで軍事的中立を保ってきた欧州諸国で、北大西洋条約機構(NATO)との関係を見直す動きが進んでいる。スウェーデンとフィンランドの加盟申請に続き、永世中立国スイスがNATOとの合同軍事訓練を検討。一方、オーストリアは中立を堅持すると強調している。  ◇解釈変更も  スイスは1815年、ウィーン会議で永世中立が認められた。国民皆兵制度を採用して軍事同盟を結ばず、紛争当事国への武器提供などが厳しく制限されている。  ロイター通信によると、スイス国防省はNATOとの合同軍事訓練を含む安全保障に関する報告書を作成中で、9月末にも議会に提出する。同省幹部はロイターに「最終的に『中立』の解釈が変わる可能性もある」と説明。一方で「スイスがNATOに加盟することはないだろう」とも述べ、あくまで関係強化にとどまると強調した。  国民の間でも加盟に慎重な声が多い。4月の世論調査では、NATOとの関係強化に56%が賛成したが、加盟への賛成は33%にとどまった。  ◇政界で温度差  中立国としての立ち位置をめぐり、スイス政界の意見は割れている。ロイターによれば、連立政権を組む中道右派自由民主党のブルカルト党首は、全面的なNATO加盟は望まないとしつつ、中立性は「柔軟であるべきだ」と指摘した。これに対し最大勢力の右派国民党幹部のケレール氏は、NATO接近は中立性と相いれないと強調。「この外交方針がわれわれに平和と繁栄をもたらした。変える理由は何もない」と述べた。  NATO接近の動きに、ロシアの警戒感は強い。フランスのBFMテレビによると、在スイス・ロシア大使館の報道官は「劇的な変化」を「無視できない」と指摘。スイスとの関係に「影響」があると警告した。  ◇ガス依存で立場複雑  オーストリアは1955年に永世中立を宣言した。95年に欧州連合(EU)に加盟する一方、天然ガスの8割を依存するロシアとも良好な関係を維持。NATOとの関係では、スイスより複雑な立場に置かれている。  オーストリアのネハンマー首相は4月11日、欧米の首脳では初めてウクライナ侵攻後にロシアのプーチン大統領と対面会談し、仲介に乗り出した。ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレによれば、ネハンマー氏は会談前に「オーストリアは今も、これからも中立であり続ける」と強調し、NATO加盟を否定した。  ただ、対ロ関係で変化の兆しもある。オーストリア政府は今月18日、ロシアへのガス依存を7割に引き下げることを目的とする緊急計画を発表。2027年までにロシアからの化石燃料輸入停止を目指すEUの方針に沿ったもので、AFP通信は「ロシアとの結び付きが強いオーストリアにとって、転機となるだろう」と報じている。 【時事通信社】 〔写真説明〕訪問したスロバキアのチャプトバ大統領(左から4人目)を迎えるスイス軍の儀仗(ぎじょう)兵=19日、ベルン(EPA時事)
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