「世界平和の発信地に」＝県民代表の対馬丸生存者―沖縄復帰５０年

　復帰５０周年記念式典で、沖縄県民代表としてあいさつした高良政勝さん（８２）は太平洋戦争中、沖縄から長崎に向かう途中に撃沈された学童疎開船「対馬丸」の生存者。家族１１人で乗船し、姉と当時４歳だった高良さんだけが生き残った。悲劇を語り継ごうと、撃沈から６０年後に建設された対馬丸記念館を運営してきた。 　あいさつではロシアによるウクライナ侵攻を念頭に、「今この瞬間にも世界では多くの子どもたちが命を失い、家族を失い、夢や希望を奪われている」と言及。「私たちが望んだ沖縄県はまだ道半ば」と強調し、沖縄が「世界平和の発信地」になることを願った。 　高良さんは式典後、「基地が存在する限り平和は実現できない。対馬丸での経験から、戦争では弱い立場の人から犠牲になることを伝えたかった」と話した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕沖縄復帰５０周年記念式典であいさつする県民代表の高良政勝さん＝１５日午後、沖縄県宜野湾市