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高校生が壁衝突、都に賠償命令=テニス大会でプレー中―教員の注意義務違反認定・東京地裁


 東京都内の20代男性が、高校時代に出場した都立対抗テニス大会の試合で壁に衝突して歯を負傷したのは主催者側が注意喚起などを怠ったからだとして、都に約1340万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁が訴えを認め、約420万円の支払いを命じていたことが2日、分かった。  大嶋洋志裁判長は、主催者側の教員らが壁に近いテニスコートの使用を回避すべきだったとして注意義務違反を認定。男性の代理人弁護士は「主催者の運営責任を認めており、スポーツ競技に関わる教育関係者に警鐘を鳴らす判決だ」としている。判決は3月2日付。  判決によると、男性は都立高の硬式テニス部に所属していた2011年7月、同大会にダブルスで出場。会場となった別の都立高(品川区)のコートには、ボールを打ち返す範囲として引かれたラインの後方約6.6メートルにコンクリートの壁があった。  男性は後衛で、対戦相手から返ってきたボールを追い掛けて打ち返した後、勢い余って壁に顔をぶつけ、前歯2本を失った。治療のため、16年8月まで計39回通院し、手術を受けた。  大嶋裁判長は、現場のコートが国際テニス連盟規則などを外形的には満たしていたとしつつ、ボールを追い掛ける生徒が壁と衝突し得ることは予見可能だったと指摘。教員らはコートの使用を避けたり、壁の前に防護マットを設置したりする注意義務に違反したと判断した。  男性側は請求額が十分認められなかったことなどを受け、控訴。都教育委員会も「判決に不服があるため、控訴した」と説明している。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕東京都教委の事務局が入る都庁第2本庁舎=1日、東京都新宿区
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