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小林陵選手、2冠の夢は次回へ=知った偉業の難しさ〔五輪・スキージャンプ〕


 冬季五輪の日本選手で史上初の個人2冠なるかと、大きな注目を集めたノルディックスキー・ジャンプ男子の小林陵侑選手(土屋ホーム)。ラージヒルは銀メダルで、惜しくもノーマルヒルに続く優勝は逃したが、25歳にはまた偉業に挑める機会が来るはずだ。  一つ目の金メダルから中5日。大きさの違う台では、助走スピード、描く飛行曲線などさまざまな異なる要素に対応しなければいけない。五輪での個人2冠達成は過去に「鳥人」マッチ・ニッカネン(フィンランド)ら3人しかいないことを考えても難しさが分かる。  しかも、ノーマルヒルで勝てば次も優勝候補として一層注目が集まり、大きな重圧もかかる。だが、技術のみならず精神面も優れている小林陵選手だからこそ期待も高まった。前日の予選後は、2冠が注目されることにも「楽しみですね」と言ってのけた。落ち着いて臨めたはずだが、やはりすんなりとはいかないことを知った。  高校生のときに自分に目を付けてくれた所属先の監督でもある葛西紀明選手(49)がまだ現役を続けている。五輪に8度出場して銀と銅の計3個のメダルを持ち、テレビ局の解説者として現地入りしている「師匠」に、ノーマルヒルの後、金メダルを首から掛けてあげた。葛西選手は喜びを隠して「全然うれしくねえ」。弟子は、ラージヒルも団体も勝てという激励をしっかりと受け止めた。  ノルディックスキーは欧州が本場。ワールドカップ(W杯)の遠征に出てしまえば帰国して一息つくこともなかなかできない日本勢。コロナ禍が収まらない今、なおさら厳しい戦いを強いられている中での小林陵選手の活躍は他の選手や関係者に勇気を与えている。  14日には男子団体が控える。7日の混合団体でも日本チームを引っ張った小林陵選手が、エースとして今大会最後の種目でメダルの数を増やせるか。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ジャンプ男子個人ラージヒル2回目、小林陵侑の飛躍=12日、張家口 〔写真説明〕ジャンプ男子個人ラージヒルで銀メダルを獲得した小林陵侑=12日、張家口
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