育成定評の藤本新監督＝「攻める野球」で再建―プロ野球・ソフトバンク

　ソフトバンクの藤本博史新監督（５８）は「攻める野球」を掲げ、世代交代期のチーム再建を図る。工藤公康監督の下、強力投手陣を前面に７年で５度の日本一に輝いた戦い方からは様変わりしそうだ。 　藤本監督は昨季までファームを中心に１１年間チームを見てきた。１～３軍全ての現場を経験し、特に若手の育成には定評がある。王貞治球団会長も「今のホークスを一番熟知している」と信頼を置いている。 　理想形の一つに、ライバルとなるオリックスの中嶋聡監督を挙げる。２軍監督時代から目をかけてきた杉本裕太郎外野手を我慢強く起用し、本塁打王に成長させた。「２軍の選手をうまく引き上げて使っている。僕もそういう形で使っていきたい」と思い描く。大砲候補のリチャードをはじめ、ファームの頃から指導してきた有望な若手は数多くいる。 　「攻める野球」もバントを否定するものではなく、「終盤に１点取ったら勝ちという試合ならバントもする」と説明。ここぞの場面でバスターやスクイズを繰り出した昨季のオリックスの戦い方を引き合いに出す。 　勝利への貪欲な姿勢は隠さない。「新庄監督は優勝なんて目指しませんと言うが、こっちは勝つ野球。優勝を目指して戦いたい」。派手さはないが、堅実に選手と向き合ってきた新指揮官がホークスを再び常勝軍団に導く。（了）【時事通信社】