広告関連元社長に有罪＝知事リコール署名偽造―名古屋地裁

　愛知県の大村秀章知事のリコール（解職請求）運動をめぐる署名偽造事件で、地方自治法違反（署名偽造）罪に問われた広告関連会社の元社長山口彬被告（３９）の判決が１２日、名古屋地裁であった。山田耕司裁判長は「直接民主主義や地方自治の根本をないがしろにする悪質な犯罪」と述べ、懲役１年４月、執行猶予４年（求刑懲役１年４月）を言い渡した。 　事件では、署名活動を主導したリコール団体事務局長の田中孝博被告（６０）＝同罪で公判中＝ら３人が起訴され、判決は初めて。 　山田裁判長は、山口被告が偽造のための会場やアルバイト作業員を用意するなど、「不可欠かつ重要な役割を果たした」と指摘。一方で、自首し詳細な供述をしたなどの事情を考慮し、執行猶予を付けた。 　判決によると、山口被告は田中被告らと共謀し、２０２０年１０月下旬、佐賀市内でアルバイトに愛知県の有権者７１人の署名を記載させ、偽造した。　（了）【時事通信社】