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消えゆく「魔法の箱」 変化見続けたアフガニスタンの箱型カメラ


【カブールAFP=時事】アフガニスタンの首都カブールのスタジオで、手作りの箱型カメラを使って写真撮影をしているハジ・ミルザマンさん。始めた当時はまだ10代の若者だった。(写真は箱型カメラで少年を撮影するハジ・ミルザマンさん。アフガニスタン・カブールで) ミルザマンさんは、この「魔法の箱」を街角へ持ち出し、パスポートや身分証明書用のモノクロ写真を60年以上にわたり撮影してきた。プリントは数分でできる。 侵攻や紛争、イスラム主義組織タリバンによる撮影禁止令など、あらゆる困難を乗り越えてきた箱型カメラではあるが、デジタル技術の登場で、今は消滅の危機にある。 カブールにある小さな自宅で箱型のカメラを木製の三脚にセットしながら、「これらのカメラはもう使っていません」と語るミルザマンさん。「そばに置いているのはこの最後の1台だけです」 箱はカメラであり暗室でもある。ミルザマンさんはその仕組みを説明するために印画紙と現像液を装置の中にセットすると、レンズカバーを短時間外して一瞬でネガを作った。次に遮光された口から箱の中に手を入れて、ネガを焼き付け、プリントした。かかった時間はわずか数分だ。 「今は、みんなデジタルカメラを使います…この仕組みを知っている人は、めっきり少なくなりました」 カメラの箱の部分は地元の木工職人が作り、レンズは輸入品だという。■黄金時代 1950年代、アフガニスタンには箱型カメラの黄金時代が到来した。徴兵制が導入され、兵士の身分証明書用の写真が必要になったのだ。 1996~2001年の旧タリバン政権下では、人物画や肖像写真が禁止された。しかし、ミルザマンさんは箱型カメラで公式写真の撮影を許された。 旧タリバン政権崩壊後、学校が再開すると学生証の写真が必要となり、箱型カメラは再び活躍することとなった。 今年8月にアフガニスタンの実権を再び掌握したタリバンだが、写真撮影については今のところ何も言及していない。それどころか、携帯電話でお互いを撮影したり、自撮りをしたりする若い戦闘員を目にすることもしばしばだ。 ミルザマンさんは息子4人に写真撮影について教えたが、誰も箱型カメラを使っていない。 最後の箱型カメラは、アフガニスタンにおける写真の歴史をその印象的な姿で伝えながら、スタジオの外に展示されている。【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/12/13-13:12)
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