電動歯ブラシなどで有名な株式会社フィリップス・ジャパン(以下フィリップス)。「2025年までに30億の人々の生活を向上させる」をビジョンに掲げ、「もっと健やかな未来へ」をブランド・コンセプトとしています。
そんなフィリップスが、健康寿命と平均寿命の差を埋めるべく、健康への取り組みをテーマにしたシンポジウム「のばそう!宮城県民の健康寿命!!」を開催しました。
今回会場として選ばれたのは、高齢化など日本の諸問題がみられ、かつ健康のための取り組みを積極的に実施している宮城県仙台市です。
松本さんによれば、宮城県はメタボ該当者・予備軍の割合が全国平均より約3%高く、8年連続で全国ワースト3位以内に入っているとのこと!
メタボは放置していると動脈硬化を促進し、最終的には心筋梗塞や狭心症、脳卒中など恐ろしい病気を引き起こすリスクが高まります。メタボや肥満の人が多くなる原因はなぜなのでしょうか?調査データによれば、食塩摂取量の多さ、歩数の少なさが原因にあるようです。また宮城県では、脳血管疾患の方も多いそう。これは喫煙者が多いことが原因なのではないかと考えられています。
そこで宮城県では、食生活・運動・タバコの改善をはかるため、『第2次みやぎ21健康プラン』を策定。環境整備と実践したくなる情報発信を中心に、県として様々な対策をしているそうです。
仙台市は子どもの虫歯が全国に比べて多いため、『3歳児カリエスフリー85プロジェクト』を立ち上げています。これは歯が生え始める8,9ヶ月の乳児健診時に“でんたるノート”を配布し、かかりつけ医を持つなど早い時期から歯に関心を持ってもらうための施策。
さらに、保育園や学校で虫歯予防に効果的なフッ化物洗口(洗口液を使うぶくぶくうがい)を行うなどした結果、5歳児の虫歯は年々減少。平成28年より、5歳児の虫歯の件数は全国平均を下回っているそうです。
相田さんによれば、「世界で一番多い病気は虫歯」とのこと。歯の状態は呼吸器疾患と深く繋がりがあるほか、歯が少ないと認知症に繋がる恐れがあること、健康寿命は歯が多い人ほど長いことなど、驚きの事実が次々に紹介されました。
さらに、日本人は砂糖の消費量が少なく、歯医者に一番行く国であるにも関わらず、虫歯が多いそう。その原因には、虫歯減少に効果的なフッ素応用の少なさがあるとのことでした。
そのため、先ほどお話にあった仙台市内の学校でのフッ化物洗口の取り組みは、虫歯予防にとても意味のあることだそう。相田さんは、「子どもの頃の虫歯を減らすことで、大人になっても虫歯になることを減らすことができる」と話していました。
歳をとることは「できていたことができなくなる」というマイナスイメージが強い一方で、川島さんは「加齢は何かを得ること、より賢くなること」というスマート・エイジングの考え方を提唱しています。
その上で、川島さんがスマート・エイジングに生きるために重要とするのが、社会性、運動、栄養、認知刺激の4つの要素。
栄養面では、多種多様な和食が最も脳によく、加えて脳を働かせてくれるブドウ糖が含まれる炭水化物をとることが大切だそう。認知刺激については、脳の中でも記憶を司る前頭前野がポイント。一度にできる作業量が減ったり、効率が悪くなるのは、加齢に伴いここが萎縮してしまうためということでした。しかし、川島さんによれば脳はトレーニングすることでどんどん回復し、萎縮が元に戻ることがわかっているそう。戻るどころか、脳の体積が増えることもあるという事実が示されました。
今年6月に東北大学との包括的な提携を果たしたフィリップス。ICTを用いた口腔ケアをはじめ、人々の行動変容にフォーカスしたヘルスケアについての共同研究を開始しています。また来春には、日本からのヘルスケア・イノベーション発信の場とすべく、仙台市内にCo-Creation Centerを設立する予定です。
これからますます健康分野で注目が集まりそうな宮城県・仙台。今後の情報に期待したいところです。