徳川家康は戦国時代を終わらせ、200年以上の平和、パックス・トクガワ―ナをもたらしました。
家康が天下統一できたキーポイントが「健康」でした。
今年は、大河ドラマ『どうする家康』がスタートした記念すべき年でもあるので、このタイミングでぜひ行っていただきたい二条城をご紹介します。
疫病退散・無病息災・病気平癒・健康長寿の神社仏閣 家康編
二条城~健康オタクの家康が総力を挙げて建てた城
二条城といえば、全国の修学旅行の定番コースでもあり、徳川幕府で最後の将軍となる、15代徳川慶喜が政権を朝廷に返上する大政奉還が行われた場所としてしられています。
大政奉還が行われたのは二の丸御殿です。城内はこの 二の丸御殿や二の丸庭園を中心とした西側 のエリアと、 本丸御殿や天守閣跡を中心とした東側 のエリアにわかれています。
今から400年以上前の1600年、関ケ原の戦いに勝利し、天下をほぼ掌握した徳川家康が、天皇の住む京都御所の守護場所とするとともに江戸幕府将軍が京都滞在時の拠点とするために築城した城です。
京都駅から北へ、堀川通り沿いにあり、地下鉄東西線「二条城前」駅からすぐです。
駐車場は有料で3か所に分かれています。
東大手門~二条城の玄関
二条城への入出場はこの東大手門に一元化されています。上部に人が入れる櫓門になっており、二条城の築城から半世紀ほど経った1660年ごろに建てられ、重要文化財になっています。
門の金色の金具にはさまざまな装飾が施されていますが、その中に1羽だけ金色の千鳥が紛れ込んでいますので、探してみてください。
唐門~豪華な装飾
東大手門から左回りにしばらく歩くと唐門が見えます。桧皮葺の四脚門でその屋根の両側に唐破風が付きます。4本の控え柱に2本の本柱で、柱は計6本です。
松竹梅や唐獅子など縁起のいい装飾が過剰なほど施されていますが、柱のあたりから上を見上げると目に入る、大きく曲がった化粧垂木や、全体に使われている木材の質がどれも最高に選りすぐられたもので、これと同じものを今建てると、新築の住宅が何軒か建てられるくらいの金額になりそうです。
二の丸御殿~歴史の舞台になった国宝
唐門の目線の先に見えている国宝の二の丸御殿には、勇壮な松の木と鷹の「松鷹図」をはじめ、将軍・幕府の威厳を示す虎や豹、折々の花を描いた狩野派の障壁画がふすまに描かれています。内部は撮影禁止です。
徳川家康は上洛時はここへ滞在し、大坂の陣などの際も寄ったことでしょう。69歳の徳川家康と17歳の豊臣秀頼が顔を合わせた「二条城会見」もここで行われました。
二の丸庭園~威厳と癒しの庭園
小堀遠州によって作庭された、国の特別名勝に指定された庭園です。石を縦に使って力強い印象を与えますが、天皇が滞在する行幸御殿の側からはやさしいイメージに見えるように工夫されています。
本丸エリア~天守閣から御所がみえた
本丸御殿は、重要文化財ですが、現在は修復工事中で立ち入りはできません。
天守閣は五重六階の天守がありましたが、築城から150年後の1750年に落雷により焼失しました。規模的には姫路城に匹敵する大きさの天守だったといいます。当時の後水尾天皇も家康と共にここへ登ったはずですが、京都御所を含む京都の町が見渡せたといいますので、 天皇に幕府の力を示す ためだったかもしれません。
石垣のみ残して再建されなかったのは、すでに戦争もなく徳川の力もじゅうぶん行き届いていたため必要がないと考えたのかもしれません。
所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/
健康長寿のパワースポット 二条城
城とはいえ戦火に遭ったことはないので、平和のイメージがある二条城ですが、徳川家康が知恵と財力を総動員して作り上げたお城ということでは、 強力なパワースポット といえます。
家康は豊臣秀吉のように戦に強くはありませんでした。そして織田信長のように型破りなカリスマ性もありません。
それでも最後に天下をとれたのは、ガマン強さと交渉力です。「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」という通り、ベストなタイミングまで辛抱できる 精神力と長寿を実現したのが、健康 でした。
家康は故郷の三河・岡崎名産の八丁味噌を愛し、麦飯を好み、暴飲暴食を控えたといいます。また、鷹狩などに出かけ、なるべく歩いて移動し程よい運動を欠かさなかったともいいます。
それによって家康は75歳という、当時としては驚異的な長寿を実現しました。
もう1年早く死んでいたら、大坂夏の陣はなく、豊臣家は存続して、その後の江戸幕府はどうなっていたかわかりません。
三河に生まれ、関東や静岡を拠点にしてきた徳川家康ゆかりの地は京都には多くはありませんが、二条城は駿府城や日光東照宮に並ぶ健康長寿のパワースポットと言えそうです。
【京都】身体が資本!疫病退散・無病息災・病気平癒・健康長寿の神社仏閣シリーズはこちらで終了です。
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kanomao
余暇プランナー
仏像と歴史好きな、社寺建築の仕事をしていたおじさんです。全国の社寺、仏像を見て回り、古代から戦国の時代を空想しています。 空想しすぎて小説を書き、文学賞もらっちゃいました。旅ライターと小説家の2刀流おじさんです。