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「細胞から、地球まで」生き物や地域と向き合った4年間。日本大学生物資源科学部での学びとは?



日本大学生物資源科学部には11の学科があります。学びの領域は幅広く、まさに「細胞から、地球まで」。生き物や地域課題に関心のある高校生の皆さんにとって、いずれの学科も興味津々なのではないでしょうか。そこで今回は、国際共生学科(旧くらしの生物学科入学)の石川紫央里さん、森林学科(旧森林資源科学科入学)の末永京さん、海洋生物学科(旧海洋生物資源科学科入学)の田中梨咲さんという3学科・3名の学生さんに集まっていただき、授業のこと、キャンパスのこと、将来の夢を語っていただきました。









——高校3年のとき、進学先に日本大学生物資源科学部を選んだのはなぜですか?

石川 私が入学したくらしの生物学科は、5つの領域を幅広く学ぶことができましたが、国際共生学科も情報・コミュニケーション、グローバル・ビジネス、文化・社会環境の3つの分野を学べる学科です。私はいろいろなことに興味があり、学びたいことを一つに絞りきれませんでした。生物資源科学部は複数学科を併願することができるため、選択肢の幅が広かったことも志望した理由です。





末永 僕の出身地の宮崎県は森林が多く、林業も盛んな地域です。子どもの頃から森の中でキャンプを楽しむなど、自然や森林に親しみを感じながら育ちました。次第に森林について学びたくなり、森林学科を志望し、受験しました。日大は全国各地に演習林があって、座学だけではなく、森林に入って勉強する実習も多く、座学と実習の両面から学べることも魅力でした。





田中 子どもの頃からよく父親に磯に連れていってもらって、生き物を網で捕まえて遊んでいました。生き物の写真を撮って図鑑で調べているうちに海洋生物が好きになったので、進学先に海洋生物学科を選びました。特にハゼが好きで、今はフグ毒を持っているツムギハゼの研究を続けています。









——学部や学科の授業で特に印象に残っていることは何ですか?

末永 2年次には北海道八雲町、3年次は新潟県佐渡市、4年次は東京都小笠原村の演習林で実習に参加しました。地域ごとに森林の植生や特徴が異なっていたのが印象的でした。

石川 国際共生学科もフィールドワークは多いです。国内フィールドワークという科目にサポート役として参加し、沖縄県糸満市の海ぶどう養殖場を含む複合施設に滞在して、海ぶどうの生産や出荷、併設する飲食店、体験サービスのお手伝いを通し、施設の集客戦略をみんなで考えたこともありました。それから、1年次に「自主創造の基礎」という全学共通教育科目があり、そこではグループワークが行われます。他学科の学生と一緒にあるテーマに沿って話し合い、みんなで発表します。他学科の学生とコミュニケーションを取るのが楽しかったです。

末永 僕が覚えているのは、地域で放置された竹林による竹害がテーマで、伐採した竹の活用方法を話し合ったことですね。

田中 海洋生物学科では1年次に基礎実習があり、日大が静岡県下田市に所有する「下田臨海実験所」で行った実習が印象に残っています。船に乗って海釣りをしたり、磯の生き物を捕まえたり。楽しい実習でした。





——授業を受けるなかで、先生とはどんなふうに接していましたか?

末永 たとえば、キャンパス内に生えているキノコの写真を撮って、微生物学研究室のキノコを専門にされている先生に見せに行って質問をすると、先生は図鑑を出してきてくださって一緒に確認しながら、そのキノコについて教えてくださいます。わからないことは何でもフランクに尋ねられる先生が多いですね。

石川 研究室の先生は、授業の履修計画から就職活動、学内生活や私生活についても気軽に相談に乗ってくださいました。学科の先生との距離感も近く、学部祭では毎年、研究室で物産展に出展するのですが、先生方が買いに来てくださいます。

田中 所属する研究室を決めるためのレポート提出があるのですが、どんなふうに書いていいのか悩み、先生に相談のメールを出しました。すると、すぐに返信が届き、丁寧に教えてくださいました。





——研究室ではどんなことを学びましたか?

末永 僕は森林生態学研究室に所属していました。卒業研究では、コナラの丸太や枝がどんなふうに分解されていくかを、キャンパス内にある藤沢演習林で1年間観察しながら解析を続けました。サンプルのDNAを抽出して、どんな菌類がどれくらい存在するかについて調べたりもしました。樹木は生きている間は樹皮によって守られているので、樹木が死んだ後も樹皮があると、菌などの微生物による分解に時間がかかると予想していました。でも実際は、樹皮があることで木材の内部の水分が保たれるため、樹皮がある方がむしろ分解が速く進むことがわかりました。とても意外な結果でした。

石川 私は地域マネジメント研究室に所属していて、4つの課題解決型プロジェクトの中から「江戸前ちば海苔プロジェクト」と「やんばるSPICEプロジェクト」に取り組みました。「江戸前ちば海苔プロジェクト」では、千葉県の海苔漁師さんを訪ね、生産現場を見学させていただいたり、会ってお話しをしたり、海苔の商品開発をしてファーマーズマーケットで販売したり、ワークショップの企画運営を行ったりしました。「やんばるSPICEプロジェクト」は関係人口の創出を一つの目標に掲げています。私たちの取り組みが同世代の若い人たちの関心を高められたらと願いながら活動を続けています。

田中 私は増殖環境学研究室でツムギハゼの毒の研究を行っています。研究室には、液体クロマトグラフで分離した成分をタンデム質量分析計でイオン化させて検出する機械があります。1台で家が1軒買えるほどの高価な機械ですが、毒の量が精密に計測できるのでとても重宝しています。私は卒業論文のテーマを10月頃に変更し、新たなテーマで実験を再スタートさせたので、締め切りの1月までに時間がなくとても焦りました。ただ、ギリギリまで実験を続け、それなりに結果も出せたので方向転換してよかったです。諦めない力が身につきました。









——研究室の活動で、実社会とのつながりを感じた場面はありましたか?

石川 各プロジェクトはクライアントワークなので、お客様の課題や悩みをZ世代の私たちの目線で解決するよう努めました。漁師さんや農家さん、問屋さんや行政の方々と接するなかで、課題やニーズを汲み取る力と、それをどうやって改善していくかを考える探究能力が身についたと思います。

末永 実習時、木を伐採して幹を短く玉切りする高性能林業機械を扱っておられる企業を訪れ、作業を見学させていただきました。チェーンソーよりも安全で効率よく行える作業を見て、技術の発展を体感できました。

田中 私はあまり企業の方と関わる機会はありませんでしたが、今まで毒を持たなかった食用の二枚貝が毒を持ち始めたり、地球温暖化によって南方の毒を持った生物が北方へ生息域を広げたりしているので、そうした研究においては食品安全という観点で実社会との接点を感じました。





——チームで活動するおもしろさや難しさを感じることはありましたか?

末永 実験に必要なサンプルを得るために、演習林に生えているコナラの木を演習林の職員の方に伐採していただきました。根はチームのメンバー10人ほどでスコップで掘り起こしました。コナラは横に根を広げて張るので、傷つけないように注意しながらです。1週間ほどかかりましたが、みんなで力を合わせて根を掘り上げたことが思い出に残っています。

田中 各々研究テーマを持っているのですが、実験に使う生き物や試料は海に行って自分たちで採取します。釣りの上手な仲間や、網で採るのが上手な仲間がいると助かるし、チームのありがたさを感じます。ツムギハゼは沖縄周辺の海にしかいないので、沖縄まで採取しにいきます。採ってきたフグやハゼは研究室で飼育したり、冷凍したりして、それぞれの実験で使用します。

石川 研究室の室長と、「やんばるSPICEプロジェクト」のプロジェクトリーダーを兼任して感じたのは、人に仕事を依頼することの難しさです。クライアントが関わっておられるため締め切りは守らないといけないので、チームのメンバーに「作業をいつまでに進めてほしい」と伝え、スケジュール通り進行できるようにすることが結構難しかったです。そのためにも、コミュニケーションを取ることを大事にしました。研究室には35人ほど学生がいましたが、とにかく毎日話しかけました。すると、困りごとも相談してもらえるようになり、活動が取り組みやすくなっていきました。



















——サークル活動やアルバイトはしましたか?

末永 「森友(しんゆう)」というサークルに入っていました。神奈川県山北町でボランティアで森林整備をさせていただきました。チェーンソーを使って木を伐採したり、枝打ちをしたり、刈払機で草刈りをしたり。地域の方に指導していただきながら活動させてもらっています。

田中 私は通学に片道2時間半かかるのでサークルには入っていませんが、家と学校の中間あたりにある水族館のカフェでアルバイトをしていました。

石川 私もサークルには入らず、居酒屋でアルバイトをしていました。楽しかったですよ。





——キャンパスのなかで好きな場所はどこですか?

石川 研究室です。授業の空き時間に立ち寄って友達や先生と話をしたり。冷蔵庫や電子レンジもあるので、お腹が空いたら何か食べたり(笑)。すごく居心地がいい場所です。

田中 私も研究室がいちばん好きですね。

石川 もう一つ、アグリサイエンス学科の学生が栽培した農産物を売っている「無人販売所」も好きです。安くておいしいので、よく利用します。

末永 僕はキャンパス内にある藤沢演習林。授業後にふらっと入って、冬虫夏草という昆虫から生えるキノコを探しています。見つけたら、また先生のところに持っていって質問したりして。





——4年間の勉強を、将来どんなふうに生かせたらいいと考えていますか?

田中 私は大学院に進学し、将来は研究者になるか、フグ毒は食の安全を脅かすものなので食の安全を守るような仕事に就きたいです。そこで、学んだことを生かせたらと考えています。

石川 IT系企業に就職します。研究室に入ってから、WordやExcel、PowerPointといったソフトウェアを使えるようになりました。海苔を販売するときのPOPやポスターをつくったり、パッケージをデザインしたりするスキルが身についたので、職場でも生かせたらと思います。

末永 造園業の仕事に就きます。樹木医になる前段階の資格の「樹木医補」という資格を取得しました。造園の仕事のなかで必要になるので生かしていきたいです。









——最後に、日大生物資源科学部を受験しようと考えている高校生の皆さんにメッセージをお願いします。





田中 私は高校時代の選択科目が化学と生物と地学で、物理はまったく学びませんでした。入学後、1年生のときに海洋基礎物理という授業があり、ほとんど理解できずに苦労しました。ですので、入学前に生物、化学、物理の基礎を身につけておくと、入学後の授業がスムーズに頭に入ってくると思います。





末永・石川 同感です(笑)。





田中 日大生物資源科学部では「リメディアル教育」といって、生物、化学、物理の基礎を学べる講義もあるので、受講されることをおすすめします。





石川 高校時代に「これが好き」というものを見つけることができれば、それを日大生物資源科学部で突き詰めることができると思います。文系の科目で受験できる学科もあるので、利用されてはいかがでしょう。





末永 同じ学科で学ぶ学生は、共通の志を持った人が集まってくるように感じます。僕は森林学科ですから、植物や昆虫、生き物が好きで、詳しい人が多いですね。入学当初は知らない人ばかりですが、話をしているうちにすぐに打ち解けて、仲間になれるはず。ですので、物怖じしたり、気負ったりする必要はありません。「大学を楽しもう」という前向きな気持ちで入学してきてほしいです。


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