大塚製薬栄養素カレッジは都内で「新・骨活&筋活コンディショニングセミナー」を開催しました。
当日は、日本栄養大学の新開省二先生と順天堂大学の谷本道哉先生が登壇。
歩行速度と健康寿命の関係やビタミンDの重要性を解説したほか、手軽に取り組める「1分間・骨活&筋活エクササイズ」を実演しました。
健康寿命を支える「歩行速度」とは?ビタミンDと運動による「骨・筋肉貯金」の重要性
セミナーの第1部では、日本栄養大学栄養学部 特任教授の新開省二先生と、MCとして健康医療ジャーナリストの西沢邦浩さんが登壇。
「ビタミンD×身体活動」をテーマに、健康寿命と運動、栄養の関係について解説しました。

新開先生がまず注目したのは、健康寿命と深い関わりがあるとされる“歩行速度”。
歩行速度は、血圧や脈拍などと並ぶ「第6のバイタル」とも呼ばれており、高齢者を対象とした追跡研究では、歩く速度が速い人ほど、その後の死亡率が低い傾向にあることが示されています。
また、健康寿命を延ばすためには、単に歩いたり筋力トレーニングを行ったりするだけでなく、栄養を組み合わせることも重要だと説明。
65〜80歳の男女を対象に実施された12週間の介入研究では、運動のみを行ったグループと、運動に栄養補給を組み合わせたグループの両方で体力の向上が見られた一方、筋肉量には違いが生じたそう。
運動のみのグループでは全身の筋肉量が平均0.46kg減少したのに対し、栄養補給を組み合わせたグループでは平均0.17kg増加する結果となりました。
こうした研究結果を踏まえ、新開先生は筋肉量を維持・増加させるためには運動だけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの「栄養補給」が欠かせないと説明。

なかでも注目されたのが、骨の健康維持に重要な役割を持つ「ビタミンD」です。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、不足すると骨粗鬆症や骨折などのリスクが高まるとされている栄養素。
東京慈恵会医科大学による約5,000人の人間ドック受診者を対象とした調査では、9割以上がビタミンD不足・欠乏状態に該当したことも紹介されました。
特に、日照時間が短くなる冬場は、日光を浴びることで体内で生成されるビタミンDが不足しやすくなることにも言及。
さらに、魚の摂取量が少ない人や、紫外線対策を徹底している若い世代でも、ビタミンD不足に注意が必要だと指摘しました。

新開先生は、将来にわたって自分の足で歩き続けるためにも、若いうちから骨量や筋肉量を蓄えておく「骨・筋肉貯金」が重要だと強調。
日々の運動習慣に加え、食事や適度な日光浴を通じてビタミンDを確保するなど、運動と栄養の両面から健康づくりに取り組む大切さを伝えました。
食前の運動がポイント!谷本道哉先生が「1分間・骨活&筋活エクササイズ」を実演
第2部では、順天堂大学スポーツ健康科学部教授の谷本道哉先生がゲストとして登場。

「明日から実践できる『新・骨活&筋活』コンディショニング」をテーマに、日常生活で取り入れられる食事と運動の方法を紹介しました。
谷本先生は、人間の身体は食べたもので作られており、健康を維持するためには栄養と運動の両方が欠かせないと説明。

特に、骨や筋肉の健康維持に関わるビタミンDについて、魚や卵、乳製品、キノコなどの食材から摂取する重要性を解説しました。
食事や日光浴を基本としながら、不足する場合にはサプリメントなどを活用し、必要な栄養素を補うことも一つの方法だと紹介しています。
また、運動面では、食事の前に短時間の運動を取り入れる「エクササイズスナック」を提案。

食前に身体を動かすことで、筋肉に蓄えられた糖質(グリコーゲン)が消費され、インスリン感受性が高まり、食事から摂取した栄養が筋肉で利用されやすくなる仕組みを説明。
セミナーの終盤には、谷本先生が「1分間・骨活&筋活エクササイズ」を実演。
会場のメディア関係者も参加し、実際に身体を動かしながら運動方法を体験しました。
最初に紹介されたのは、太ももやお尻の筋肉、大腿骨の付け根に刺激を与える「ヒップスクワット」


背筋を伸ばして両手を前に出し、お尻を大きく突き出しながら深くしゃがんで立ち上がる動作を、10〜20回程度繰り返す運動です。
続いて紹介された「グッドモーニング」は、腰の骨や背筋を鍛えることを目的としたエクササイズ。


両手を肩に置き、軽く膝を曲げた状態から大きく前屈し、顔を上げて背中を反らせながら起き上がる動きを10回程度繰り返します。
最後は、骨と下半身の筋肉に刺激を与える「スクワットジャンプ」


両手を胸の前で組み、深くしゃがんだ状態から軽くジャンプする動作を繰り返し、着地時の衝撃によって骨に刺激を与える運動として紹介されました。
谷本先生は、こうした運動を無理のない範囲で行うことの大切さにも触れ、短時間でも骨と筋肉に適切な負荷をかける方法を伝えました。
「筋肉も、ビタミンDも裏切らない!」という印象的な言葉も飛び出した今回のセミナー。
年齢を重ねても自分の足で歩き続けるために、若いうちから栄養バランスのよい食事と適度な運動を意識し、日々の生活の中で「骨活&筋活」を実践していくことの大切さを改めて考える機会となりました。
