一般社団法人日本損害保険協会と神戸新聞社は、2025年1月で阪神・淡路大震災の発生から30年が経過することを機に、神戸市内で地震への備えの大切さを学ぶことができる防災イベント「親子で学ぼう、地震への備え~阪神・淡路大震災から30年。みんなで地震後、考えよう~」を開催し、親子連れなど約3,000人が参加しました。
トークイベントに登壇した相武紗季さんが震災当時の状況・災害への備えを訴えかける
会場内のステージでは、トークイベント「いま、語ろう。地震と、地震後のこと」が開催。
日本損害保険協会の城田宏明会長や、語り部でNPO法人神戸の絆 2005副代表の大濱義弘さんのほか、俳優として活躍する相武紗季さんがスペシャルゲストとして登壇しました。
阪神・淡路大震災が発生した当時9歳だった相武さんは、
「2階の子ども部屋から見た景色は、前の日からガラッと変わってしまい、今でも忘れられないなと。(私が住んでいたのが)建物の多くが全壊・半壊してしまった地域だったので、目が覚めたら建物があったはずのところからお家が全部なくなっていて、“こんなに開けた場所だったっけ…”というショックは今でも忘れられないです。」
と当時の状況を語りました。
また、断水が続いた地域でもあったため、被災後はお風呂に入りに行くために、電車で5〜6駅先の母親の実家へ通う毎日を過ごしていた相武さんは、車窓から震災の数日後にテニスをしている方がいるのを見て「住んでいる場所によって被害の状況が全く違うこと」に対してショックを受けたそう。
「当時は断水が結構長く続いて、給水車に並ぶという毎日を過ごしていたので、絶対に水は備蓄しなければ生きていけないなっていうのは、そのとき強く感じましたね。」
と話し、水を備蓄することの大切さを被災後の生活から学んだそうです。
大濱さんは小学校の校長をされていた震災当時を振り返り、
「勤務していた学校には2日間出勤することができなかった。自宅近くの小学校へ避難し、避難所のお手伝いをしていた。(避難所には子どももたくさんいたが、)色々な日常が全て壊れてしまって、子どもたちは、余震の怖さや寒さなどで本当に辛かっただろうなと思います。」
と、当時の状況や被災した子どもたちの様子などをコメント。
城田会長は、地震はいつでもどこでも発生する可能性があることを誰もが認識し、事前の備えを行うことの重要性を語りかけ、
「(地震に対する)経済的な備えとして地震保険がありますが、阪神・淡路大震災が発生した当時の地震保険の世帯加入率はわずか“7%”でした。地震保険に対する理解や認知度を向上させる取り組みを進めた結果、現在は35%まで高まりましたが、まだまだ改善の余地があります。」
と、損保業界として地震保険の認知向上に取り組んできたと説明しました。
「今後起きるかもしれない災害に向けて、どのように備えるべきか」というテーマに、相武さんは自身が気をつけていることについて、
「私がやっていることは、しっかり家族分の備蓄をすること。家族一人ひとりが、これがあれば絶対に2〜3日は生きていけるなっていう備えをみんなで確認しています。」
とコメント。
モデレーターから、損保業界としてはどのような活動をしているのかと質問を受けた城田会長は、
「損害保険は、万が一の際にカタチになるものであるため、その必要性に気づきづらいといった側面があります。今年度は香取慎吾さんを広報キャラクターに起用して、地震リスクや地震保険による備えの必要性についてテレビCMやWEB動画、特設サイトなどを活用し、広く情報提供しています。今回のイベントもその活動のうちの1つです。」
と活動を紹介。
また、
「一例ではありますが、東日本大震災では全壊被害に遭った住宅の新築費用は、平均して2,500万円でした。国からの支援で約400万円もらえたが、2,100万円足りないことになりますので、地震保険による経済的な備えがとても大切であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。これからも引き続き、損保業界として地震への備え、特に地震保険の大切さを発信し続けていきます。」
と経済的な備えの重要性について実例も交えて語りかけました。
防災科学ショーでDr.ナダレンジャーが登場!
自然災害のメカニズムを楽しく学べるDr.ナダレンジャーの防災科学ショーなど、トークセッション以外にもさまざまなステージコンテンツを実施。
実験形式で子どもたちにわかりやすく「自然災害を小さくすると楽しいけれど、これより遥かに大きくなると恐ろしい自然災害になる」とメッセージを残したDr.ナダレンジャー。
実験中は子どもたちが積極的に参加して自然災害について楽しく学んでいる様子が印象に残りました。
「はばタン」や「くまモン」たちと笑顔溢れるフォトセッション!
防災知識などを楽しく学べて体験できるワークショップ
兵庫県警や熊本県による展示をはじめ、子ども向けの体験型コンテンツである「防災ヒーロー入団試験」、オリジナルホイッスルや折り紙による非常用食器作りなどができるブースも登場。
地震体験ができるパーソナル地震再現VRシミュレーターなども用意されており、子ども連れの方をはじめとする多くの来場者が体験されていました。
さらにワークショップなどを3つ体験しアンケートに協力すると、巨大ガチャを回すことができるスタンプラリーも実施。
ガチャの中身は災害時に必要なアイテム(リサイクルエコカイロ、防災ポーチなど)でした。
日本損害保険協会は「地震こわれる診断VR」というコンテンツを提供しており、スマートフォンなどで家の階層と震度5強〜6強のシチュエーションを設定することで、地震による室内の揺れ・家財の状態をVRで疑似体験できます。
また、家財被害の予測や地震保険についても合わせて学ぶことができるコンテンツとなっているので、ぜひ一度体験してみてください。
URL:https://www.sonpo.or.jp/insurance/jishin/kazai_apartment/kazai/