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「Wi-Biz」被災者の通信利用に貢献した「能登半島地震コネクトマップ」開発のコード・フォー・カナザワを表彰


一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会(以下、Wi-Biz)は、有事の際に現場で最重要となる“通信環境”をどう伝えていくべきか、災害時の通信確保の観点で日々活動されています。

この度、東京ビッグサイトで開催された国内最大級のワイヤレス通信の専門イベント「ワイヤレスジャパン 2024」において、能登半島地震で現地のインターネット環境を被災者に共有するべく開発した「能登半島地震コネクトマップ」を提供した一般社団法人コード・フォー・カナザワ(以下、コード・フォー・カナザワ)に対し、Wi-Bizはその功績を讃え表彰しました。

 

Wi-Bizが「コード・フォー・カナザワ」を表彰

Wi-Bizは総務省の「無線LANビジネス研究会」報告書の提言を受け、無線LANに関係する企業・団体など多様な関係者が無線LANを巡る諸課題に自主的に取り組む場として、平成25年1月31日に発足した団体。

例えば災害時や通信回線の障害が発生した際に、被災・障害発生地域の人々に開放される、キャリアの垣根を超えた無料公衆無線LAN「00000JAPAN(以下、ファイブゼロジャパン)」などの取り組みも行っているなど、日本の無線LANに関わる活動を行っています。

Wi-Bizの会長で、NTTブロードバンドプラットフォーム株式会社の取締役を務める北條博史氏は、

「今年の年初、お正月に発生した能登半島地震は時間を経つ毎に深刻な被害状況が判明してきました。私どもの方でもファイブゼロジャパンが、今回は震災当日の21時からSSIDを解放するに至っております。」

と活動を紹介。しかし特別な状況により、フリーWi-Fiを開放したのはいいものの、その無線LANを飛ばすための親機への電源供給などが出来ていなかったりと、ファイブゼロジャパンが上手く機能していない時期・地域もあったそう。

その中で、地域の市民がテクノロジーを活用し、地域が抱える課題を解決しようとする取り組みや考え方である「シビックテック」団体の1つである「コード・フォー・カナザワ」の代表理事・福島健一郎氏が、被災地域で暮らす方々に有益な情報の提供を行ったことを受け、今回「ワイヤレスジャパン 2024」の場で関係者・来場者の前で表彰を行いました。

 

コード・フォー・カナザワの「能登半島地震コネクトマップ」とは

コード・フォー・カナザワが開発・提供した「能登半島地震コネクトマップ」は、自らがインターネットに繋げられる場所を登録することで、その情報を可視化することが出来るアプリ。本アプリを1月7日にリリースし、被災地域住民が本当に使えるネット環境情報を被災者同士が共有出来ます。

「知らないという方に説明しますと、シビックテックはアメリカが発祥の考え方で、“シビック”とは市民のこと。そして“テック”とは技術のこと。つまり、市民がテックテクノロジー技術を使って、地域や身近な困り事を解決することをシビックテックと呼んでいるんです。」

と語るのは、今回表彰されたコード・フォー・カナザワ代表理事の福島氏。

コード・フォー・カナザワはこれまで、金沢市内の各区でゴミを出す日が一目で分かる「5374(ゴミナシ).jp」などのプロジェクトを展開しています。

1月1日に起きた能登半島地震では、被災地は断水や停電して移動も困難となり、インターネット回線にも繋がらないという状況がしばらく続いたそう。

福島氏も能登半島地震の被害を受けた被災者の一人であり、

「1月1日、16時10分に能登半島地震が発生しました。自宅では水が出なくなってしまって、1月2日くらいまでは自分たちのことで精一杯でした。3日になって水も通って余力が出てきたので、能登半島の知人に連絡してみると、全員が被害状況を掴めない・分からないという状況でした。同時に全国から“力になりたい”という声が多く寄せられ、コード・フォー・カナザワ主導で災害状況共有やシビックテックの支援グループを設置しました。」

と、当時の状況を説明。

「1月5日になっても電話やインターネットが現在も繋がりにくかった状況で、各キャリアが災害時にここなら繋がります、という地図を出してくれたんです。しかし、現地では繋がるはずの場所で繋がらなかったりと、マップで出た情報通りではなかったんです。色々な混乱が生じている状況を感じました。そこで1月6日にコード・フォー・カナザワのメンバーで集まり、“ここはインターネットに繋がる”というスポットを登録・共有出来る仕組みがあったら一番良いと思い、“能登半島地震コネクトマップ”を制作しました。」

と、福島氏は本アプリケーションを制作するに至った経緯を説明されました。

能登半島地震コネクトマップは「すぐに作って使ってもらわなければ意味がない」と福島氏が即座に制作を開始し、ノーコードツールを使ってほぼ独力で制作されたそう。

僅か数時間で作られた能登半島地震コネクトマップは1月7日に配信されると、現地の多くの方に拡散され有用な情報を被災地で共有することが出来たのだそうです。

この取り組みを今回表彰したWi-Bizですが、北条会長にお話を伺うと、こういった取り組みを表彰することは今回が初めてなのだとか。

「実は表彰などはこれまで行ったことがなく、こういったことに関する規定なども一切なかったのですが、コード・フォー・カナザワの取り組みはぜひとも活動を讃え、少しでも多くの方に知ってもらいたいと思い、会場などとも交渉してこういった場を作らせて頂きました。」

と説明。

「全国にある“コード・フォー・〇〇”などのシビックテックは、横の繋がりがあまりないそうなんですね。そこでこういった団体がいて、こういった活動を行ったということを広く知ってもらい、災害など困ったことが起きた際にしっかりと(無線LANなどが)使えるような仕組みを整えていければと考えています。」

とコメントされました。

北条会長は、

「今回のケースでは福島氏が凄まじい行動力を発揮され、僅か数時間で能登半島地震コネクトマップを作り上げられましたが、他でも同じように出来るかは分かりません。例えば能登半島地震コネクトマップが別地域で使用出来るように共有されたり、今回の例を知ってもらって活動をさらに広めていきたい。」

と語っています。

福島氏は今回の表彰について、

「今回は本当に素晴らしい賞を頂けて、本当に嬉しく思います。私たちの活動に注目して頂いて、それで賞を頂けるというのは凄くエネルギーを頂けるなと感じました。地域の方が喜んでくれるのは当たり前ですが、外の方も見ていてくれるというのは嬉しいですね。」

とコメント。今後は少しずつシビックテックというものを知ってもらいつつ、目に見える形で社会が良くなっていくような効果を生み出していくことが課題だと話してくれました。

 

いまだ断続的な地震も続き、復興も途中の能登半島地震の被災地。

コード・フォー・カナザワの能登半島地震コネクトマップで、多くの方がインターネットへ接続出来る場所を知り、被災状況や安否などを共有・確認することが出来た功績は非常に大きいものと言えます。

両団体の詳細が気になる方は、それぞれのHP等をご参照ください。

コード・フォー・カナザワ:https://codeforkanazawa.org/
Wi-Biz:https://www.wlan-business.org/
能登半島地震コネクトマップ:https://noto-earthquake-conmap.glide.page/dl/74c4fe

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