猛暑が続いた今年の夏。海やレジャーなどを思い切り満喫したという方も多いと思いますが、知らず知らずのうちに浴びていた強力な紫外線や暑さによる体へのダメージが現れるのは、だんだんと暑さが和らぎはじめるこれからの季節。何となく疲れが抜けない、肌の調子がいまいちと感じる時は、この夏に溜まった疲労が原因となっている可能性があります。今回は、夏に受けた肌ダメージを回復する食材にフォーカス!効果的なプロセスとともにご紹介します。
夏のダメージが現れるのは秋
紫外線をたくさん浴びた夏の間はさほど感じなかったのに、何となく最近肌の調子が悪かったり、肌トラブルを感じていたりする人もいるかもしれません。肌の新陳代謝を表す“ターンオーバー”という言葉がありますが、新しい肌細胞に生まれ変わる平均的な周期は28日~30日以上かかるといわれています。つまり一番暑かった頃の夏の疲れが出やすくなるのは、まさに今の時期なのです。
夏の栄養不足は肌状態にも影響
肌ダメージは紫外線によるものだけではありません。夏バテやなんとなく食欲が出ないからと言って暑い時期にきちんと食事を摂っていなかったという人は、体が栄養不足に陥っている可能性が。肌細胞は食べ物から摂取した栄養素から成り立っているため、日焼けや肌荒れを回復させ、肌のターンオーバーを正しい周期に整えるためには規則正しい食事とその内容を意識することが必要となります。
肌のターンオーバーを促す3STEPと栄養素
肌が生まれ変わるターンオーバーを規則正しいサイクルに保つためにはどんなプロセスと栄養素が効果的なのか、実際にみていきましょう。
★STEP1:腸内環境を改善
肌に栄養素が行き渡るためには、まずは栄養素を取り込むための腸をきれいにすることが先決。腸内環境を良くすることで老廃物を排出し吸収力をアップするべく、次の栄養素を意識して摂取しましょう。
・食物繊維
食物繊維は腸内細菌のえさとなって腸内環境を改善するほか、ぜん動運動を活発化させ老廃物の排出を促します。
*豆類やごぼう、海藻、きのこ類、おからなど
・発酵食品
発酵食品には腸内細菌を増やす作用があるほか、免疫力の向上や美肌にもつながる効果が。
*ヨーグルト、甘酒、納豆、キムチ、味噌など
★STEP2:血流促進
腸で吸収した栄養素は血液とともに全身のすみずみまで運ばれます。血流が良ければ新陳代謝も活発になるため、常に血流の流れを良くしておくことが大切。特にこれからの時期は冷えによって血行不良に陥りやすいため、血液循環を高めてくれる栄養素を意識して摂りましょう。
・リコピン
リコピンの高い抗酸化作用には血中コレステロールの酸化を抑制して血流を改善し、肌の新陳代謝を高める働きがあります。
*トマト、柿、ピンクグレープフルーツ、マンゴーなど
・リコピン
リコピンの高い抗酸化作用には血中コレステロールの酸化を抑制して血流を改善し、肌の新陳代謝を高める働きがあります。
*トマト、柿、ピンクグレープフルーツ、マンゴーなど
・ビタミンE
血管内皮細胞に働きかけて血管を広げることで血流がアップ。肩こりや冷えの改善にも役立ちます。
*かぼちゃ、アボカド、卵黄、抹茶、アーモンドなど
★STEP3:肌細胞へ栄養を送り込む
腸内環境を改善し、血流循環が良くなることで肌への栄養が吸収される準備が整います。ターンオーバーを促進させるため、次の栄養素を積極的に取り入れましょう。
・たんぱく質
すべての細胞を作る素となるたんぱく質。他の栄養素を摂取しても、新しい細胞の原料になるたんぱく質が不足していては十分に役割を発揮できません。1日の必要量の目安は成人女性でおよそ50gほどです。毎食意識して取り入れましょう。
*肉、魚、大豆、乳製品、卵など
・ビタミン類
ビタミン類の中でも、NMF(天然保湿因子)の生成を促し、皮膚や粘膜を正常な状態に保つビタミンA、肌の再生や細胞の原料となるアミノ酸の吸収を助けるビタミンB2、B6が効果的です。
*ビタミンA:レバー、うなぎ、緑黄色野菜、卵黄など
*ビタミンB2:レバー、豚肉、納豆、うなぎ、乳製品など
*ビタミンB6:にんにく、マグロ、鳥レバー、バナナなど
★より効果をアップさせる食べ方のポイント
1) 肌細胞の素となるたんぱく質は毎食必ず片手の平一杯分摂ることを意識し、吸収率を上げるため食事の最初に口にするのがおすすめです。
2) ヨーグルトや納豆、みそ汁などの発酵食品は、毎日最低1品は必ず食べるようにしましょう。
3) 肉や魚を調理する際は、細胞膜を作るのを助ける必須脂肪酸を含む良質な植物油(コーン油や大豆油など)とともに調理しましょう。
4) なるべく多品目を少量ずつ食べることを心がけ、さまざまな栄養素を摂取することを目標に。
内側からのケアは、続けることが一番のカギとなります。ターンオーバーに働きかける3STEPで夏の肌疲れを回復させましょう!