日本の風呂文化とともに歩んできた手ぬぐい。タオルと同じ綿100%中心の布製品で用途も同じでありながら、その使用感は全く違う。今回はワンアンドオンリーの技術でリバーシブルに染色した、『手ぬぐい 両面染色』を紹介したい。
すぐに乾いてカビにくい、ニオイにくい。手ぬぐいの使い勝手って、こんなに良かったのか!
黄色とグレイがかった青色のリバーシブルに、和風に限定されないスタイリッシュな美しさがある、Standard Products(東京都)の『手ぬぐい 両面染色(黄/青)』(34×90cm・実勢価格 税込770円・発売中)。ちなみに「Standard Products(スタンダートプロダクツ)」は、100円ショップ・DAISOを展開する大創産業が、300円の価格帯を中心に使い勝手のいい洗練された日用品を展開する新業態だ。
手ぬぐいは木綿の平織りの布を指し、その使い道はタオルと同じ。ただ、糸がループ状になって毛足があるタオルは厚めで端は縫われてあり、水分吸収がいい。一方の手ぬぐいは、薄く仕上げてあり毛足もない。端が縫われていないのが特徴で、薄さと端に水分がたまらないことから水分吸収量は少ないが、速乾でカビも生えにくく、雑菌も繁殖しにくい。
江戸時代初期に綿花栽培が普及し、庶民の間に綿製品である手ぬぐいが広まったと言われている(諸説あり)。
『手ぬぐい 両面染色』薄い手ぬぐいの表面を染め分ける、世界に類のない技術でからだを洗う贅沢!
『手ぬぐい 両面染色』は、木綿産業の盛んな街として栄えてきた大阪府堺市の「竹野染工」で作られた、綿100%・和晒(わざらし/綿繊維の不純物を除去する手法)と、ロール捺染(染料を金型でのせて圧をかけて染める技法)を使用した、職人技が光る逸品だ。
手ぬぐいのような薄い生地で両面(リバーシブル)染めをするのは難しく、その技術を持っているのは、世界でも竹野染工だけなのだとか。
そんな由緒ある『手ぬぐい 両面染色』をじっくり観察すると、実に美しいカラーリング。こんなに薄いのに裏表の色が違うのは、確かにマジカル。主にバスルームで、浴用タオルの代わりに使ってみることにした。
ボディソープを付けると、泡立ちもそれなりにある。毛足がないのでぬるりスルリの感覚でからだを洗える。刺激はないけれど、汚れや角質が持ってかれる感があるのが不思議。使用後はすすいでぎゅっと絞って浴室のドアに引っ掛けておいたら、30分もしないうちに乾いていたのに驚いた。なるほど、清潔運用が簡単にできる。
日本のお風呂文化に目覚めてしまった。せっかくなので和の定番せっけん「牛乳石鹸 赤箱」とケロリンの手桶を手に入れてしまった。これは楽しい。
何度か使うと、縫われていない端の部分がほつれてくるのだけれど、それはハサミでチョキチョキと切る。面倒なようで、手入れの楽しさも感じる。自分だけの手ぬぐいを育てているような感覚がいい。
もちろんカラーリングがおしゃれなので、浴用だけでなく、ハンカチ用途や、風呂敷用途にもいいと思う。
入手は、Standard Products各店で可能だ。