主治医のセカンドオピニオン問題について考える

人間や一緒に暮らしている動物と同様に、古いクルマを楽しむためにも主治医の存在は不可欠だ。 主治医と知り合うきっかけは人それぞれ。 口コミやネットなどで評判を聞きつけてオーナー自ら主治医のガレージを訪ねる人、友人や仲間の紹介というケースもあるだろう。 誰よりも愛車のコンディションを把握していて、トラブルが起これば根気強く直してくれる。 出先でクルマが動かなくなったときは、休みの日でも積車で駆けつけくれる主治医もいる。 多くのオーナーにとってこれほど心強い存在はいない。 その主治医は1人でなくても構わない。 セカンドオピニオンとしてもう1人(あるいはそれ以上の)主治医がいてもいいのだ。 事実、車検はAさん、重整備はBさん・・・といった具合に、用途や目的に応じて主治医を使い分けている(こういう表現は好きではないけれど)オーナーさんも実在する。 ここから先はあくまでの個人的な考えだが、こちらの記事でも触れたように、主治医セカンドオピニオンについては反対というスタンスだ。 それには理由がある。 古いクルマのメカニックというと、広告はもちろん、工場の目立つところに看板すら出さずに1人で黙々と、少しだけシャッターを開けてその奥で作業しているなんてことが少なくない。 自社のホームページやSNS、YouTubeチャンネルを持っている(自ら更新している)人もおそらく少数派だろう。 商売っ気がないともいえるし、自分のペースで黙々と納得のいくまで、自分の技術を信頼し、愛車を託してくれるオーナークルマだけ面倒を見たいという職人気質の人も少なくない。 そんなわけで、傍目にはぶっきらぼうだし、無愛想に映るかもしれない。 場合よっては怖い人…に映るかもしれない。 けれど、それはあくまでも表面的なことだ。 いちど心を許せば案外饒舌だったり、さまざまなアドバイスもくれたりする。 つまり、不器用なだけで「根は優しい人」が多いような気がしている。 セカンドオピニオンということは、自分の技術を信頼してもらえていないと思われても仕方ない。 と同時に、他のメカニックが整備した箇所をいじりたくないと考える人も多い。 人それぞれやり方があるからだ。 セカンドオピニオンをする必要があるくらい不安なら、安心して任せられる主治医を新たに見つけるか、どちらか1人にしぼるか、いっそのこと古いクルマを手放した方がいいかもしれない。 1台の古いクルマと徹底的に付き合う。 それはイコール、1人の主治医を信じ抜くことと同義ではないか? そんな気がしてならない。 [ライター・撮影/松村透]

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