
アジピン酸市場は、自動車生産の拡大や建設活動の活発化を背景に、2035年まで年平均成長率約4.6%で推移する見込みです。
アジピン酸市場の概況
SDKI Analyticsによる調査によると、アジピン酸の市場規模は2025年の約84億米ドルから、2035年には約131.7億米ドルに達すると予測されています。市場成長の主な要因は、ナイロン6,6やポリウレタンといった川下産業からの需要増加です。
調査概要:2026年9月28日発表
調査期間:2026年7月〜2026年8月
調査対象:市場参入企業548社
調査手法:実地調査217件、オンライン調査331件
詳細情報:https://www.sdki.jp/reports/adipic-acid-market/112635
市場拡大を支える需要要因
世界的な自動車生産台数の増加が、ナイロン6,6の主要原料であるアジピン酸の需要を押し上げています。国際自動車工業連合会(OICA)の報告では、2025年の世界自動車生産台数は96.4百万台を超えました。軽量化ニーズに対応するエンジニアリングプラスチックや自動車部品への利用が、安定した需要基盤となっています。
また、建設業界におけるポリウレタンやポリエステルポリオールへの需要も市場成長に寄与しています。断熱材やコーティング剤としての利用が拡大しており、米国をはじめとする各国での建設活動が消費を支えています。なお、米国環境保護庁(EPA)は2023年のアジピン酸生産に伴うCO₂換算排出量を約2.9百万トンと報告しています。
地域別の市場動向
アジア太平洋地域は、2027年から2036年の期間においてシェア47.0%、年平均成長率(CAGR)5.2%を記録する見込みで、世界最大かつ急成長する市場として位置づけられています。特に中国では自動車生産が活発であり、日本も成熟した化学産業と高度な製造技術を背景に重要な市場となっています。
主要企業と市場セグメンテーション
グレード別では工業グレードが市場を主導し、2036年までに全体の92.0%を占めると予測されています。主要企業にはAscend Performance Materials、BASF、INVISTA、RadiciGroup、Huafon Groupなどが名を連ねています。日本国内の主要企業にはAsahi Kasei、Toshin Chemical Industry Co., Ltd.、Kishida Chemical Co., Ltd.、Sanyo Life Material Co., Ltd.、Tomiyama Pure Chemical Industries, Ltdが挙げられます。
まとめ
アジピン酸市場は、自動車および建設分野の拡大を追い風に堅調な成長が見込まれています。企業はバイオ由来生産技術の確立や事業拠点の統合など、戦略的な展開を加速させています。
関連リンク
https://www.sdki.jp/reports/polyamide-66-market/60291
https://www.sdki.jp/reports/nylon-66-market/58331
https://www.sdki.jp/reports/engineering-plastics-market/59947
