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異例の早さで感染拡大するインフルエンザ これからの時期に鍵を握るのはたんぱく質


食事に卵やたんぱく質を含む発酵食品取り入れて賢い体調管理を

【順天堂大学大学院

竹田和由准教授に聞く】

夏の猛暑、酷暑から9月の長雨と天候不順の中で季節が進むなか、インフルエンザが異例の早さで拡大している。コロナ禍以来、感染予防の意識が高まった一方、依然一定数の人が感染してしまう。免疫学のスペシャリストで順天堂大学大学院の竹田和由准教授(63)は、「免疫の土台」の重要性を語る。土台となるのはたんぱく質で、意識して摂取しないと不足しやすい栄養素だという。さらにたんぱく質は、秋から冬に向けて感染症に備えるための鍵を握る存在、とアドバイスしてくれた。

【免疫細胞の元になる不可欠な栄養素】

今年はインフルエンザが異例の早さで拡大中だ。竹田先生は猛暑と長雨などの天候不順からくる自律神経の乱れで、免疫力が低下したことが一因という。

さらに「対策しているつもりでも『免疫の土台』ができていないと、十分な効果を期待できません」と指摘する。

免疫の土台をつくるうえで特に大切なのは、たんぱく質。竹田先生は「免疫細胞や抗体(ウイルスや細菌などを攻撃して排除する)は、すべてたんぱく質が元となっています。筋肉成分のイメージを持つ人も多いですが、たんぱく質は免疫機能を維持するためにも欠かせない栄養素です。これを食事からしっかり取ることが、さまざまな免疫対策の効果を得るうえでも重要です」と強調した。

【医師の9割が感染症リスクに影響と回答】

厚生労働省によると、一日に必要なたんぱく質の量は、18~64歳の成人男性で65グラム、女性で50グラムが基準。一日3食として一食あたり20グラム程度になる(鶏肉100グラムに含まれるたんぱく質は約17~24グラム、豚肉14~22グラム、牛肉11~22グラム)。皆さんはどうだろうか。

竹田先生は「たんぱく質は一気に吸収できないため、意識して毎食取る必要があります。ところが、朝食や昼食は炭水化物に偏りやすく、たんぱく質は不足しがちです」という。

感染予防に関する栄養意識について、生活者と医師に聞いた興味深い調査(※)がある。対象は全国の20~79歳の男女1000人と、感染症患者を診療している医師100人。これによると医師の約9割が「たんぱく質」不足が感染症リスクに影響すると認識している一方、生活者の理解は3割未満。生活者にまできちんと伝わっていないことがわかる。この点から「たんぱく質は意識しないと取れない栄養素。感染予防のためにも欠かさないでほしい」と竹田先生は力を込める。

【普段の食事に発酵食品をプラス】

これからの時期、感染症に負けない体をつくる鍵は、たんぱく質にありそうだ。「ウイルスと戦う免疫細胞は寿命が約1週間しかないものもあります。ですからたんぱく質を常に補充して、免疫細胞が十分な状態を保たなければなりません」。主菜から摂取することをメインに、不足しがちな朝食や昼食で手軽にたんぱく質を取るには、ヨーグルトや牛乳、卵などがある。

「特にヨーグルトはたんぱく質を摂取できるうえ、消化もよく、感染予防効果が報告されている乳酸菌を含むものもあるため、不足分を補うのに適しています」。ヨーグルト以外にも、たんぱく質を含む発酵食品に納豆やチーズがある。これらを食生活にうまく取り入れ、免疫細胞の材料となるたんぱく質も一緒に取ることが、賢い体調管理といえる。

【既存の対策だけでなくしっかりした土台づくりを】

竹田先生はこんな言葉で話を結んだ。「熱心に感染予防に取り組む人が増えた半面、基本的な食や栄養のことが置き去りにされているのかもしれません。土台のたんぱく質が不足していると、せっかくの対策も効果が発揮されにくい。しっかり食べて免疫の土台づくりをしてください」。

(※)出典は日本能率協会総合研究所

◆竹田和由(たけだ・かずよし)順天堂大学大学院医学研究科研究基盤センター細胞機能研究室准教授・同大免疫治療研究センター副センター長。1962年(昭37)生まれ。東北大学歯学部卒業。96年順天堂大学医学部助手、講師を経て07年准教授。がん免疫や、感染症予防、腸内細菌に関する研究を進めている。

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