
「肥満」が原因で起こる健康障害は11あります。今回は、「心筋梗塞・狭心症」「脳梗塞(こうそく)」をとりあげます。
まずは心筋梗塞・狭心症です。内臓脂肪型肥満の人は、BMI「体格指数=体重(キロ)÷身長(メートル)²」が25以上で、腹部CT検査で内臓脂肪面積が100平方センチ以上であれば「肥満症」です。こういう状態になると動脈硬化を進行させ、冠動脈疾患を引き起こします。これは心筋に栄養や酸素を送る冠動脈が、動脈硬化で狭くなったり詰まったりすることで起こる疾患です。冠動脈が狭くなった状態が狭心症で、詰まると心筋梗塞です。
ここにも内臓脂肪が分泌する生理活性物質の「アディポサイトカイン」が大きく関係しています。内臓脂肪が増えると、悪玉のアディポサイトカインである血栓を作る「PAI-1(パイワン)」が多く分泌されるのです。これが心筋梗塞の要因。もちろん、肥満症で高血圧や糖尿病などの健康障害がいろいろあると、動脈硬化の進行を速めてしまいます。
次は、脳梗塞。これは冠動脈で起こることが、脳の血管で起こって脳の血管が詰まる病気です。心筋梗塞と同じように肥満や肥満がもたらす高血圧、糖尿病、脂質異常症などが引き起こす動脈硬化が原因です。脳の動脈硬化のほかに、心臓の血栓が脳に飛んで詰まることもあります。そして、BMIが高いほど脳梗塞の発症リスクが高いことがわかっています。
BMIが高いことでのリスクは、脳梗塞だけにとどまりません。BMIが上がると死亡率が上昇することが、欧米の研究報告で明らかです。BMI23~24の死亡率は最も低い。それが、25からはBMIの上昇に伴って死亡率がどんどん上がります。逆に、BMI30の人が25に下げると死亡率はグーンと下がります。BMIを23~24を目指しましょう。(医学ジャーナリスト松井宏夫)
