
「肥満」は様々な健康障害を引き起こします。それは、前回紹介したように「内臓脂肪」が原因です。
その脂肪がたまりやすいのは、“内臓の周り”と“皮膚の下”。内臓の周りに脂肪がたまった状態が「内臓脂肪型肥満」で男性に多く、さまざまな健康障害に結び付きます。一方、皮膚の下、皮下に脂肪がたまった状態が「皮下脂肪型肥満」で、これは女性に多いのです。今回は、女性に多い皮下脂肪型肥満を紹介します。
女性に多い皮下脂肪型肥満。なぜ女性は皮下脂肪をためやすいのでしょう。この点は、まだはっきりとはわかっていませんが、「女性ホルモンが関係している」と言われています。皮下脂肪の問題点は、身体の外側なのでどれだけでも脂肪がたまる点です。
そこで気になるのは、皮下脂肪型は体重が80キロ、90キロと増えた場合、健康障害はどうなのか、という点でしょう。健康障害は起こります。皮下脂肪型は体重による「関節障害」が一番の健康障害になってきます。それ以外はどうなのか--。
脂肪細胞が作る生理活性物質の「アディポサイトカイン」は、内臓脂肪がたまりすぎると悪玉の「TNF-α」「PAI-1」などが出てきて、糖尿病、高血圧、脂質異常症などを引き起こします。ところが、女性の皮下脂肪は内臓脂肪とは逆で、糖尿病や高血圧になりにくい物を分泌しているといわれています。だから、男性と女性では同じように太っても糖尿病や高血圧などの有病率が女性の方がグンと低いです。
これには、前述した女性ホルモンが関係していると考えられます。だから、閉経前と閉経後では脂肪のたまり方も変わり、閉経後の女性は内臓脂肪がたまりやすくなります。だから、閉経後の女性で肥満の方は、おなか周りを気にするだけではなく、何か体調の悪さを感じたら、すぐに病院を受診するようにしましょう。もちろん、普段から健診はお忘れなく。(医学ジャーナリスト松井宏夫)
