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未来を描く筆跡!武蔵野美術大学と共に小学生が挑んだ日本画ワークショップ


スマートフォンやタブレットが子どもたちの日常に当たり前のように存在する現代。そんな時代に、あえて筆と和紙という古き良き伝統に触れる機会があるとしたら、どんな発見が待っているでしょうか? 先日、東京都江東区で行われた日本画のワークショップには、その答えがありました。武蔵野美術大学と株式会社ヤマタネの協力のもと開催されたこのイベントでは、小学生たちが日本画に挑戦。伝統的な岩絵の具や和紙に触れながら、自分たちの手で作品を作り上げる楽しさと難しさを体感しました。 普段のデジタルな生活では味わえない感覚を通じて、彼らは日本画という芸術の奥深さに引き込まれていきました。「伝統」と聞くと敷居が高く感じられがちですが、今回のワークショップは子どもたちにとって、新しい発見や創造の場となったようです。この一筆一筆が、未来のアーティストを生み出す一歩になるかもしれません。

地域と未来をつなぐ日本画ワークショップが開催

武蔵野美術大学と株式会社ヤマタネが共同で、東京都江東区内の小学校2校を対象に、2024年10月5日と10月12日の2日間にわたり、特別な日本画ワークショップが開催されました。このイベントは、2024年7月に創業100周年を迎えたヤマタネの記念事業の一環として行われ、伝統と地域をテーマにした貴重な体験の場となりました。
ワークショップには、武蔵野美術大学の卒業生であるアーティスト2名が講師として参加。テーマは「私たちのまちに川が運んできたもの(過去と現在)」と「私たちのまちにこれから川が運んでくるもの(未来)」で、子どもたちはフィールドワークを通じて過去を学び、未来に向けた創造力を膨らませました。日本の伝統的な画材である水干絵具を使い、各々が大きな和紙にその思いを表現したのです。
普段の授業ではなかなか体験できない伝統芸術を通じて、子どもたちは地元の歴史や未来について新しい視点を得る機会となったこのワークショップ。参加した子どもたちの作品には、彼らの個性や地域への思いが色濃く表れており、見る者にとっても新しい気づきや感動を与えてくれるものでした。これからもこうした取り組みが続いていくことで、次世代の新たな才能や表現力が花開いていくのを楽しみにしたいと思います。

日本画ワークショップ詳細

今回開催された日本画ワークショップでは、子どもたちが実際に地域を探索し、過去から未来へと繋がる日本画を制作するという貴重な体験が提供されました。3つのユニークなステップを通じて、子どもたちはアートを通じて地域を見つめ直し、自分たちの手で未来を描き出しました。

ヤマタネ600号倉庫の屋上からまちを見てみよう!

まず、子どもたちはヤマタネ600号倉庫の屋上に案内され、地域の景観を一望しました。川と倉庫の繋がりや、過去から現在まで運ばれてきたものについて考え、まちの歴史や変遷に思いを馳せる時間が用意されました。このように、アート制作の前に地域と対話するプロセスが組み込まれているのは、非常に興味深いアプローチです。

まちを探検してみよう!

次に、隅田川や大横川沿いを歩きながら、倉庫の屋上から見えた景色を再度確認し、見えなかったものを探すというフィールドワークが行われました。地域を歩くことで、自然や建物、人々の営みを自分の目で確かめ、地域の隠された魅力を発見。地元に暮らす子どもたちにとって、日常とは異なる新しい視点を持つ機会となったのではないでしょうか。

日本画の画材に触れてみよう!絵巻を描いてみよう!

最後に、武蔵野美術大学出身のアーティストと共に、日本画や絵巻について学びました。地域探索で得た発見をもとに、未来のまちに何が運ばれてきてほしいか、どんな橋が架かるべきかといった想像を膨らませ、グループで大きな和紙に絵を描きました。子どもたちの描いた用紙は全て繋ぎ合わされ、1つの大きな絵巻が完成。子どもたちの自由な発想と地域への想いが込められた絵巻は、見る者に強い印象を与える作品となったようです。

この制作された絵巻は、今後ヤマタネグループが主催するイベントなどで展示される予定です。ぜひその目で、子どもたちが描いた地域の未来を見に行ってみてください。さらに、このワークショップは来年以降も継続して開催予定であり、地域とアートを通じた学びがますます広がっていくことでしょう。

未来への架け橋となるアート体験

この日本画ワークショップを通じて、子どもたちは地域の過去と未来に思いを馳せ、アートを通じて新たな視点を得る貴重な体験をしました。普段の生活ではなかなか触れることのない日本画や絵巻を通じて、伝統と地域の繋がりを考え、未来に向けた想像を広げる機会となったようです。このような取り組みが続くことで、地域の子どもたちにとってアートがもっと身近なものとなり、未来の新しい表現者たちが生まれていくことを期待したいですね。


アーティスト・協力学生ご紹介

手嶋 遥 
1992年山口県生まれ。
2016年 武蔵野美術大学 大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース修了。
創画会会友。地形環境や風土に関心を持ち、様々な土地を歩く体験を日本画材を用いて作品にしている。
主な個展に、「あめつち|Wetland」ギャラリーなつか(東京/2021年)、「風配図|Wind Rose I Ⅱ」コートギャラリー国立・多摩信用金庫地域貢献スペース(東京/2023年)、「府中市美術館公開制作89 まだ見ぬ小さな山について」(2024/東京)など。

ドル 萌々子
東京都生まれ。
2022年 武蔵野美術大学 大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース修了。
日常の何気ない景色をモチーフにした作品制作を行う。人と人の間にある距離を見つめ、境界を曖昧にしていくことで「知らないだれか」と寄り添い合える方法を見つけようとしている。 美術新人賞デビュー2021入選、第56回神奈川県民美術展入選、2021年度ACTアート大賞展 優秀賞。

協力学生

石禾 実紅(大学院造形研究科修士課程美術専攻 日本画コース 1年)
榎本 伊吹(大学院造形研究科修士課程美術専攻 日本画コース 1年)
藤本 恭子(大学院造形研究科修士課程美術専攻 日本画コース 2年)
丸山 大樹(大学院造形研究科修士課程美術専攻 日本画コース 1年)
持丸 有紗(大学院造形研究科修士課程美術専攻 日本画コース 2年)

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