一杯のラーメンを、自分の手で作って味わう。大人にとっては何気ないことでも、子どもたちにとっては、夏休みの思い出に残るひとつの体験になるのかもしれません。
天然とんこつラーメン専門店「一蘭」を運営する株式会社一蘭は、2026年7月28日から8月25日にかけて、全国8自治体へ「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」計240食を寄附しました。届けられたラーメンは、子どもたちが自ら調理する食育プログラムをはじめ、地域住民との交流や高校生による小学生への調理指導など、各地域ならではの取り組みに活用されています。
きっかけにあったのは、夏休みの子どもたちに居場所を届けたい、そして料理を作る楽しさや喜びを感じてもらいたいという思いです。ラーメンを「届ける」だけではなく、その先にどのような体験が生まれたのでしょうか。一蘭と全国8自治体による、この夏の取り組みをたどります。
一蘭ラーメン240食が全国8自治体へ。地域へ届けられた「食」のかたち

今回、株式会社一蘭が届けたのは、「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」48箱、合計240食分です。企業版ふるさと納税の物品寄附という仕組みを活用し、2026年7月28日から8月25日にかけて、全国8つの自治体へ寄附されました。
寄附先となったのは、茨城県桜川市、埼玉県草加市、神奈川県松田町、兵庫県福崎町、大阪府岸和田市、岡山県美咲町、三重県名張市、三重県鳥羽市です。今回の取り組みでは、株式会社ジチタイリンクが一蘭の寄附意向を聞き取り、自治体とのマッチングや制度要件の確認、手続きなどを支援。企業が持つ商品と、それを必要とする地域をつなぐことで実現しました。
届けられたラーメンは、各自治体で夏休み期間中に行われた子ども向けイベントなどに活用されています。特徴的なのは、完成した料理を提供するだけではなく、子どもたち自身が手鍋を使い、ラーメンを作る体験にもつなげられたことです。
240食という数字だけを見ると「ラーメンの寄附」というシンプルな取り組みに映るかもしれません。しかし、その一杯一杯は、子どもたちが料理に挑戦したり、地域の人と関わったりする時間へと姿を変えていきました。そこには、夏休みならではの課題と、一蘭が今回の寄附に込めた思いがあります。
夏休みの居場所に、ひとつの楽しみを。取り組みに込められた思い

今回の取り組みの背景にあったのは、「夏休み期間中の子どもたちの居場所づくりに役立ててほしい」という思いでした。学校が長期休暇に入る夏休み。一蘭はラーメンを届けることで、子どもたちが地域の中で過ごせる場所や、そこで生まれる新しい体験を支えようとしました。
もうひとつ大切にされたのが、自分で料理を作る楽しさや喜びを感じてもらうことです。用意されたものを食べるだけではなく、自分でお湯を沸かし、手を動かして一杯のラーメンを完成させる。「自分で作って食べる」という経験そのものが、子どもたちにとって普段とは少し違った食の体験になります。
こうした思いに賛同した全国8自治体で、一蘭から届けられたラーメンがそれぞれの地域に合わせた形で活用されました。企業が得意とする「食」と、自治体が取り組む子どもの居場所づくりや食育が重なったことで、単に食品を届けるだけではない地域との関わりが生まれています。
一杯を自分で完成させる小さな挑戦も、誰かと一緒に食卓を囲む時間も、子どもたちにとっては夏休みのひとつの経験です。では実際に、各地域では一蘭のラーメンを使ってどのような時間が生まれたのでしょうか。次は、それぞれの地域で行われた取り組みに目を向けてみます。
作る、教える、振る舞う。一杯のラーメンから広がった体験

全国8自治体へ届けられた一蘭ラーメンは、それぞれの地域でさまざまな体験へと形を変えていきました。子どもたちが自らお湯を沸かして調理に挑戦する食育プログラムだけでなく、地域ごとの特色を生かした企画にも活用されています。
なかには、子ども自身が「店長」となり、作った料理を地域の人たちへ振る舞う多世代交流の取り組みもありました。また、地元の高校生が小学生に調理を教える企画では、食をきっかけに異なる世代の子どもたちが関わる機会も生まれています。「作って食べる」から「誰かに教える」「誰かに振る舞う」へ。一杯のラーメンを入り口に、体験の幅が広がっているのが印象的です。
さらに、子ども食堂や学童保育をはじめ、防災イベント、生活支援事業とも連携。夏休み期間中の保護者の負担軽減にもつなげながら、子どもたちの自立心や「自分でできた」という達成感を育む、あたたかな居場所づくりに役立てられました。
同じラーメンでも、その使われ方は地域によってさまざまです。ただ食事として届けるだけではなく、人と人が出会い、子どもたちが新しいことに挑戦するきっかけにもなった今回の取り組み。そこには、一蘭が「食」を通じて届けようとしているものが表れているように感じます。
「食」を届けた、その先へ。一蘭が大切にする新たな体験
今回、一蘭が全国8自治体へ届けたのは240食のラーメンです。しかし、ここまで見てきたように、その役割は食事を提供することだけにとどまりませんでした。自分の手で調理してみること、誰かに料理を振る舞うこと、世代の異なる人と同じ時間を過ごすこと。一杯のラーメンが、それぞれの地域で新しい経験につながっています。
一蘭が今回の取り組みで大切にしているのも、「食」を提供するだけではなく、作る喜びや食を通じた新たな体験を届けることです。自社の商品をそのまま寄附するだけで終わらせず、自治体の企画と組み合わせることで、子どもたちが実際に手を動かし、人と関わる機会へとつなげています。
もちろん、240食ですべての地域課題を解決できるわけではありません。それでも、企業が自分たちの持つものを生かし、地域が必要としている取り組みにつなげることで生まれる時間があります。今回も「食」という身近なものを入り口に、子どもたちが料理に挑戦したり、地域の人と交流したりする新しい経験へとつながりました。
一蘭は今後も、食を通じた新たな体験や社会貢献活動を進め、未来を担う子どもたちの健やかな成長と地域社会の発展に貢献していくとしています。ラーメンのおいしさを追求するだけではなく、その一杯を通じて何を届けられるのか。今回の取り組みは、そんな「食」の可能性を感じさせるものとなりました。
一杯のラーメンがつないだ、子どもたちと地域の夏
全国8自治体へ届けられた240食のラーメン。その一杯一杯は、子どもたちが新しいことに挑戦し、地域の人たちと関わる時間へとつながっていきました。
食べることは、私たちにとって毎日の暮らしに欠かせないものです。そこに誰かと一緒に作り、同じ時間を過ごす経験が加わることで、いつもの食事とは少し違った時間が生まれます。この夏に子どもたちが自分の手で作った一杯も、そんな経験のひとつとして心に残っていくのかもしれません。
企業が持つ強みと、地域が必要としていることが重なれば、身近な商品からでも新しい体験を生み出せます。一蘭と全国8自治体による今回の取り組みから生まれたのは、ラーメンを味わう時間だけではなく、人と出会い、自分の手で作り上げる時間でもありました。いつかこの夏を振り返ったとき、自分で作った一杯のラーメンと、そのとき一緒に過ごした人たちのことも、楽しい思い出としてよみがえるのかもしれません。
株式会社一蘭 概要
株式会社一蘭は、1960年創業、福岡市博多区に本社を構える天然とんこつラーメン専門店です。2026年6月時点で国内85店舗、海外8店舗の計93店舗を展開。日本国内だけでなく、ニューヨークや香港、台湾にも店舗を構え、とんこつラーメンのおいしさを国内外へ届けています。
公式サイト:https://ichiran.com/
