『ビフォア・サンライズ恋人までの距離<ディスタンス>』(95)ほか「ビフォア」三部作、『スクール・オブ・ロック』(03、)『6歳のボクが、大人になるまで。』(14)などの作品で知られる名匠、リチャード・リンクレイター監督の最新作『ヒットマン』。日本では9月13日(金)より全国ロードショーされることが決定しています!実話をベースにしたセクシーでスリリングなクライム・コメディとなっている本作、今回は場面写真や予告編の動画を交えながら、一足お先に作品の魅力をお届けします。
プロの殺し屋になりすましておとり捜査?実話とフィクションが融合したストーリー
舞台はアメリカ・ニューオーリンズ。2匹の猫と静かに暮らすゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は、大学で心理学と哲学の講師をする傍ら、地元警察に技術スタッフとして協力していました。そんなある日、これまでおとり捜査で殺し屋役を務めていた警官が職務停止に。急遽ゲイリーに代役の仕事が舞い込みます。これをきっかけとして、ゲイリーはプロの殺し屋になりすます才能を発揮。様々な容姿や人格を演じ分けることで有罪判決を勝ち取るための証拠を引き出し、殺人の依頼者を次々と逮捕へ導いていくのです。
ところが、ある依頼者の女性・マディソン(アドリア・アルホナ)との出会いにより、ゲイリーの生活は一変します。彼女は支配的な夫との生活に傷つき、精神的に追い詰められたことでゲイリーに夫の殺人を依頼しますが、ゲイリーは逮捕するはずの彼女を「この金で家を出て新しい人生を手に入れろ」と見逃してしまったのです。その後二人は再会して恋に落ち、物語はリスキーな展開へ……!
本作のモデルになっている人物は、実在したスゴ腕の潜入捜査官、ゲイリー・ジョンソン(1947ー2022)。1990年頃から偽の殺し屋として警察に協力し、プロの殺し屋を演じて70人以上を逮捕に導いたといいます。ゲイリーの活動について2001年に「テキサス・マンスリー」誌に書かれた記事によると、彼はテキサスで2匹の猫と暮らし、地方検事局で働きながら、講師として地元のコミュニティカレッジで心理学などを教えていたそうですよ。そんな人が実在していたなんて、驚きですよね!
グレン・パウエルの変装七変化と、自分という存在の揺らぎに注目!
今作で主演&共同脚本を務めるのは、『トップガン マーヴェリック』で一躍脚光を浴びた俳優グレン・パウエル。第7回アストラ・ミッドシーズン映画賞においては4部門でノミネート、そして見事主演男優賞を受賞し、今最もハリウッドで引っ張りだこの俳優の一人です。
今回の企画がスタートしたのも、ゲイリーの実話を知ったグレンが企画『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に』でも手を組んだリチャード・リンクレイター監督へ1本の電話をかけたことがきっかけなのだそう。そこから共同脚本の開発がスタートしたんですね。
今作の見どころの一つは、なんといっても主人公ゲイリーの変装七変化!ゲイリーは依頼者の情報を調べ、どんな殺し屋を望んでいるのかを分析し、見た目だけでなく訛りや言動など、依頼者にに合わせた「殺し屋」のキャラクターを作り上げていきます。グレン・パウエルがメイク&衣装担当の方々と作り上げたという個性豊かなキャラクターの数々は必見ですよ!
役作りの研究シーンは、YouTubeにも本編映像が公開されています。大学教授らしいアプローチで、コミカルなシーンに仕上がっていますね。
そしてもう一つの見どころは、ゲイリーが徐々に抱くようになる「自分」という存在の揺らぎ。マディソンが好きになったのは「殺し屋」としての自分で、それは普段の自分ではないという事実がありながらも、その一方で「殺し屋」を演じ、マディソンと恋に落ちることで「普段の自分」も気づかないうちに少しずつ変化していくのです。鑑賞者も、見ているうちに「あれ?このゲイリーは……?」と考えながら楽しめること間違いなしです!
リチャード・リンクレイター監督最新作の映画『ヒットマン』は、9月13日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー!この秋、アクションではない一味違った「殺し屋」の映画で、ドキドキを味わってみませんか?
『ヒットマン』公式Webサイト
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