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《イソップ》製品開発の専門家にインタビュー!


世界中で愛されるコスメブランド《イソップ》。その製品制作の裏側ってどうなっているんだろう?

そんな疑問に応えるべく、名作の「ルーセント フェイシャル エッセンス」の制作にも携わった

《イソップ》の製品開発の専門家Samy Hamada氏に、一問一答のインタビューを行ったので、この記事でご紹介していきます。

 

<編集部(以下編)>

《イソップ》には数えきれないほどに多数の製品がありますが、男性の肌タイプに合ったものを選ぶにはどうすればよいでしょうか?

 

<Samy Hamada氏(以下S)> 

まず前提といたしまして製品選びのお話をする前に、男性の肌に関して考慮すべき点がいくつかあります。

一般的に、男性は女性よりも肌密度が高く皮脂の分泌も盛んです。男性の肌は敏感ではないと思われがちですが、興味深いことに、実は皮脂の分泌が多くなると肌荒れを起こしたり肌が敏感になることが多いです。ですから、その特性に対応できる製品で肌をサポートし、すこやかさを高める必要があります。

これを考慮した上で、クレンジングに関しては、オイリー肌またはコンビネーション肌の方には、優しい使い心地でほとんどの肌タイプに適した「ファビュラス フェイス クレンザー」、あるいはコンビネーション肌に特化して処方された「トゥーマインズ フェイシャル クレンザー」がオススメです。敏感肌、中でも年齢を重ねた敏感肌は、クレンジングの後つっぱり感や不快感、あるいは “もろさ”を感じることが珍しくありません。なので、貴重なうるおい源である肌の脂質を取り去ってしまわないように、泡立ちが少なくエモリエント成分が豊富な「ジェントル クレンジング ミルク」のような優しい使い心地の製品がいいと考えています。

続いて、化粧水に関してですが敏感肌を含めた肌タイプに関わらず、「B&T バランシング トナー」で肌を落ち着かせ、保湿のための下地を整えるのがオススメです。そして、この後の保湿ステップでぜひ使って頂きたいのが、セラムの「ルーセント フェイシャル エッセンス」です。ナイアシンアミドが肌表面を均質に整え、カラギーナンNaが保湿力を高めることで、顔や首筋をなめらかでマットな仕上がりに導きます。小さじ半分ほどの量を手に取り、額から首にかけて優しくマッサージするようになじませるとより効果的です。

 

 

<編> 

オススメいただきました「ルーセント フェイシャル エッセンス」に関しまして、成分配合や誕生秘話や製作のこだわりポイントがあればお伺いしたいです。

<S> 

成分のバランスを保ちながらも、非常に軽い使用感を実現するにあたり、かなりの試行錯誤を伴いました。「ルーセント」と名づけたのも、薄付きなのに肌を均質に整える効果があるというアイテムの特徴からです。また、「コールドプロセス」を取り入れて工程を最適化することで、製造にかかるエネルギーが格段に少なくて済むようになりました。

 

 

<編> 

《イソップ》の製品は心地のいい香りがとても魅力的に感じるのですが、どのように香りを決めているのでしょうか?

<S> 

スキンケア、ヘアケア、ボディケア製品の開発にあたり、私たちが優先するのは効果効能です。イソップの製品は心地よい香りがすることで知られていますが、それはあくまで製品に入っているエッセンシャルオイルであったり、肌や髪のケアに効果のあるさまざまな植物由来あるいは研究室で開発した原料が相まって香っているものです。収穫した葡萄でワインをつくる時のように、エッセンシャルオイルとその香りは、土壌の質、標高、その他の栽培環境要因によって毎回異なります。私たちはこの現実に臨み、自然のもたらす折々の変化を一切ごまかすことなく、製品の効果を第一に考えてオイルを選定しています。例えば先ほども出てきた「ルーセント フェイシャル エッセンス」の場合、カラギーナンNaがうるおいを持続させ、同様に保湿成分として知られるナイアシンアミドがその補佐を行うわけですが、そこへローズオットー、サンダルウッド、フランキンセンス(ダマスクバラ花油、フサヌススピカツス木油、ニュウコウジュ油:すべて香料)の精油が入り、フレッシュ、フローラル、ウッディといった優しく、ナチュラルな香りが完成しています。

 

 

<編> 

スキンケアを開発する際の成分調整にはどのくらいの時間が掛かるものなのでしょうか? 例えばルーセントフェイシャル エッセンスについて。

また、製作の起点となるものは何でしょうか?(肌悩みの解決策の提案、新たなニーズ、新たな成分配合….など製品開発における起点など)

 

<S> 

「ルーセント フェイシャル エッセンス」は、高い保湿力を求め、軽い付け心地ながら肌をサポートする成分の豊富に入ったセラムを探している方のために開発しました。毎日使えて素早く肌になじみ、乾いたときの仕上がりがマットで、毎日お使いいただくのに適しています。オイルベースであったり、より重めのローションまたはクリームなど、同様の効果が期待できるイソップの既存製品に、より軽やかなテクスチャーの製品を加えて提供したいと考えたのです。

私たちのスキンケア製品ラインを見渡した時に、明らかにさらっとしたテクスチャーの保湿セラムがないということに気がつき、これが開発の推進力となりました。

「ルーセント フェイシャル エッセンス」の開発に要した期間は一年です。これは他の製品開発に比べると、かなり短い時間です。ここまで短期間で完成まで導けたのはこの処方が正しいものであると確信できていたからです。製品開発には多少の運も関係していて、通常は1つの方法に固執せずに複数のやり方を模索してよりよい方法を探して製品開発は進むのですが、最適な製造方法を早く見つけることができると、通常よりも短い時間で完成できることがあります。また、製造工程をコールドプロセスへと最適化することで、製品づくりにかかるエネルギーも大幅に減少することができました。ひとつの製品をつくり上げるには、コンセプトの構築から研究開発、試験を経て、製造、発売に至るまで多くの人が関わって議論や努力を重ね、短くても半年、長いものですと10年程度の時間を要します。「ルーセント フェイシャル エッセンス」の場合は、通常より短い一年という期間で製品化に至りました。開発過程の中で特に印象に残っているのは、チーム内でさまざまな処方を試していたとき、まるで魔法のように、この処方がベストなのだとはっきり見えた瞬間です。私たちは皆、すぐにそれを確信しました。この製品には、何か特別なものがあると感じています。

 

 

<編> 

現在日本では、韓国のコスメが特に人気です。その人気の理由の1つとして有効成分の含有量の多さと低価格ということが挙げられると考えております。

このように他のスキンケアブランドと比べて、成分の選定や処方の仕方に置いて特徴的である点はありますか。また、多数の定番の製品あると思いますが、成分の微調整などによるアップデートは行われているのでしょうか?

<S> 

私たちが目指すのは、市場動向に左右されることなく、量よりも質を大切にした製品づくりをすることです。気持ちが華やぎ、時代を超えて信頼のおける「揺るぎない」存在であり、いつも心地よい感覚や効果、安心感を提供できることが《イソップ》の強みです。植物由来の成分、研究室で開発された成分ともに使用する成分は幅広く検討しますが、安全性と有効性が実証されたものだけを使用するという方針に揺らぎはありません。製品開発にあたっては、社会や時代に即し、品質に裏打ちされた息の長い製品を目指しています。その他の視点やインサイトとしては、25を超える市場それぞれの現地規制に準拠した製品を開発し、維持していく必要があるので、原料への新たなアプローチを行う際にはそのことを踏まえます。絶え間なく進歩する科学に対応する必要がありますし、各国における最高水準がイソップのブランドとしての基本ラインであるようにしなければなりません。このように未来を見据えた姿勢を以て、思い込みや経験値、慣習などを常に問い直し、どんなに高く評価されている成分であっても、再検証を続けていくことを怠りません。

また、イソップは業界内でイノベーションを起こすための重要要素である研究調査や製品開発といった活動を自社内のラボラトリーで行い、独自性の高いアプローチを徹底しています。卓越したスキンケア製品を作るには、確固たるサイエンス、そして研究室で開発した成分と植物由来成分の調和が必要だというのが私たちの考えです。私たちにとっての最優先事項は、原料の質、肌への安全性と有効性、そして地球への影響を最小限にとどめることです。長年にわたり何度も採用している成分については、チャ葉エキス、アロエベラ、トコフェロールなど数多くありますが、採用の理由は、肌にもたらす効果が明確であるというシンプルなものです。肌を助けて保湿をうながす力がさまざまな形で知られています。常時、異なった開発段階にある製品をたくさん扱っていますが、実際に市場に出るのはそのうちごくわずかです。私たちは、新製品を発売しなければならないというマーケティング上の要請に応えるために製品開発を行うことはありません。そうではなく、お客様の声に耳を傾け、お客様にとって本当に必要なものだけを開発し、いずれの製品にも明確な目的があります。イソップの成功は、このような姿勢によって支えられています。

 

 

<編> 

「ルーセント フェイシャル エッセンス」と相性の良い製品や成分、オススメの使い方をご教授いただきたいです。

<S> 

「ルーセント フェイシャル エッセンス」は、クレンジングをしてトナーで整えた肌に単品でお付けいただくことも可能ですし、必要に応じて他の製品の下に重ねづけするのもオススメです。また、季節によってアイテムを使い分けるというのもいいですね。

寒い冬の毎日のお手入れには「ジェントル クレンジング ミルク」でクレンジングを行い、「B&T バランシング トナー」で整えるのがいいです。どちらの製品も、乾燥肌をサポートしてうるおいを持続してくれます。そこに「ルーセント フェイシャル エッセンス」をマッサージするように塗布したり、「オリバナム フェイシャル ハイドレーティング クリーム」や「ダマスカン ローズ フェイシャル トリートメント」など、イソップの保湿系のアイテムを重ねづけをするとより保湿力が高まります。最後に、目の周りに「イグゾールティッド アイセラム」を優しく塗って、デリケートな目元の肌にうるおいを与えるのも忘れたくないですね。

暖かい季節のスキンケアをお探しの方には、ほとんどの肌タイプに適した「ファビュラス フェイス クレンザー」あるいはコンビネーション肌のサポートに特化した「トゥーマインズ フェイシャル クレンザー」でのクレンジングが最適です。「B&T バランシング トナー」で保湿のための下地を整え、そこに「ルーセント フェイシャル エッセンス」をマッサージするように塗布します。もっとうるおいが必要な場合には好みのモイスチャライザー使った後に、目の周りに「イグゾールティッド アイセラム」を優しく塗りましょう。

また気候を問わず、お好みのフェイシャル クレンジング マスクやエクスフォリアントで週に一~二回のディープクレンジングもしたり、日々の紫外線対策をすることも重要ですね。

 

 

<編> 

自社製品を含め、「ルーセント フェイシャル エッセンス」が他と圧倒的に違うところをご教授いただきたいです。

<S> 

「ルーセント フェイシャル エッセンス」は、時代にとらわれない不朽の名作であり、たくさんのアイテムがある市場の中でも、とてもユニークな存在だと考えています。

というのも、実に幅広い使い方が可能で、あらゆる年齢層、さまざまな肌タイプの方が使用できたり、肌の状態をサポートするだけでなく、時間の経過とともに変化する肌の状態に応え続けることができます。

そして、なんといっても特徴的なのが《イソップ》の他の製品と比べても、テクスチャーが極めて軽いというところです。水溶性のセラムで、自然にのびて素早く肌になじみ、重さを感じない仕上がり。それでいてはっきりと濃密なうるおいが持続するというのが魅力的だと考えています。

 

 

<編> 

最後に、イソップの製品は市場の中でも高価でブランド力に非常に優れていると考えておりますが、他ブランドと比べた際に成分から見て特に優れている点や高価格にならざるを得ない理由などがありましたらご教授いただきたいです。

<S> 

私たちは、純度や品質のきわめて高い原材料を選んでいます。原料選定にあたり、他のブランドが価格を重視するのに対し、私たちが一番に考えるのは原料の純度やコンプライアンスデータであり、価格はあくまでもその後に続くものなのです。ですから、信頼のおけるサプライヤーを通して世界中から原材料を調達し、最新鋭のテクノロジーと、長年培われてきた科学的手法や原理原則を融合させながら、品質の高い製品づくりを行っています。また、長年のR&D活動を経て、イソップは2020年よりBコーポレーション®として認証されています。これはつまり、企業の存在意義と利益追求のバランスを大きな枠組みの中で取りながら、社会的・環境的パフォーマンス、透明性、説明責任といった点に関して、外部機関による非常に高い検証基準を私たちが満たしているという証です。

 

 


「ルーセント フェイシャル エッセンス 60㎖」¥12870(イソップ・ジャパン)

今回のインタビューでは、特に「ルーセント フェイシャル エッセンス」について伺ってみました。

その中で《イソップ》が大切にしていることやそこから見える人気の秘訣は、誠実なものづくりにあるような気がします。

決して安くはない同ブランドのアイテムが、世界中で愛されているというのも納得です。

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