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「おっさんレンタル」からあらためて考える、人間の「承認欲求」という根深い性(さが)


『FRIDAY DIGITAL』が『1時間1000円!「おっさんレンタル」にやってくるヘンな依頼』なるタイトルの記事を配信していた。

 
「おっさんレンタル」とは、2012年にスタートした、読んで字のごとく「1時間1000円で中高年男性をレンタルできるサービス」のことである。創業者で、自身もこれまで2000回以上「レンタルされた」という西本貴信氏(53)はこう語る。

 
「依頼内容は悩み相談や愚痴聞きなどがほとんど。全国に総勢80名のおっさんが待機しています。それぞれバックグラウンドや経歴が多種多様で、お客さんはそのプロフィールを見て指名するシステムです。お客さんの8割が女性で、転職相談などの仕事での不安や、『夫に不倫されている』などのプライベートの悩みを相談されるケースが多いですね」

 
ほかにも、ちょっとした買い物の依頼やら、映画や舞台を鑑賞するための付き添いやら……の依頼も寄せられるという。また、

 
・パチンコ店に並ぶ…とかのパシリ系依頼

 
・自主映画へのエキストラ出演で「死人役として道路に寝てくれ」との依頼

 
・TVのドッキリ企画で「地下アイドルグループに加入せよ」との依頼

 
・「M-1に出演したいが相方が名古屋にいるから練習ができない」との理由による“相方”の代役依頼

 
・「武田鉄矢のモノマネをしてください」との依頼

 
……みたいに珍妙なお願いをされることも、たまにある……らしい。

 
もう8年も続いているということは、少なくともビジネスとして成立するくらいには需要があるってことだろう。そして、好奇心や潜入取材といった軽い動機ではなく、私もわりと心底から「一度登録してみたい!」と思った。

 
たとえば、お店のサイトで、本人バレのリスクをも厭わず自身のヌード写真を顔出しで晒したり、労力を惜しまずマメにエッチな文言や来てくれた客ひとり一人にいちいちお礼の文(ふみ)をハートマーク付きで「日記」のコーナーへと書き込んだりして、自分についた「いいね」や賞賛のクチコミの数に一喜一憂する風俗嬢がいる。私はその気持ちがすごくよくわかる。もちろん「お金を稼ぎたい」ってのが大前提なのは間違いないけど、完全歩合の風俗ほど「アタシという存在が他人の役に立っていることを、稼いだ額面に比例したかたちで…しかも、まさしく“肌”でダイレクトに実感できる」職業もそうザラにない。つまり、彼女らは懸命に頑張って「仕事で結果を出すこと」で、みずからの“承認欲求”を満たしているのだ。

 
おそらく「おっさんレンタル」に精を出す「おっさん」たちにも、似たようなメンタル作用が働いているのではなかろうか。だから、レンタルされた彼らは、死体役で道路に横たわったり、やったこともない武田鉄矢のモノマネを強要されたり……と、その依頼がやっかいであればあるほど、より高い承認欲求の充足を得ることができ、嬉々としてこれらの無茶振りに必死のパッチで応じるのである。

 
私のような文筆業者は、仮にネット上に寄稿したコラムが10万PVを超えたとしても“読者の顔”はほとんど見えてこない。辛うじて見えてくるのはヤフコメあたりに書き殴られた辛辣で心ない誹謗中傷くらいで、10万のPVのうち9万以上のPVが、私のコラムを開いてみたはいいが、つまらなすぎて5行ほど流してすぐ別のネット記事へとサーフィンされた類(たぐい)である可能性も捨てきれない。

 
いっぽうの「おっさんレンタル」は、直接対面型のビジネスゆえ、相手の満足度が残酷なほどに伝わってくる。そこで満面の笑みを添えた顧客の感謝の意をいただけたとすれば……そりゃあマジうれしいでしょうな。さらに、リピートでもされた日には「ああ…生きていてよかった!」レベルの僥倖すら味わえるのかもしれない。

 
最後に。『FRIDAY』記者が「おっさんレンタル」のシミュレーションとして、実際に悩み相談をしてみた際のやりとりを紹介しておこう。

 
──元カノを忘れられません。

 
別れてからどれくらい?

 
──ちょうど1年です。

 
きっとまた素敵な出会いがあるはずだよ。

 
──実は恋人はいるんです。…別の。

 
おっと(笑)。罪な男だね。どっちを選べとは言わないけど、今、目の前にいる人を幸せにできないようじゃ、自分も幸せになれないよ…!

 
こんなんでOKなのか(笑)!?

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