全10話平均視聴率24.7%、リアルタイム視聴者は全国で推計約6658.8万人(到達人数)を数え、まさに日本国民の2人に一人が視聴していた計算になったという怪物ドラマ『半沢直樹』について、こうまで大人気を博したにもかかわらず、9月のTBS社長会見に同席した編成局長が「(半沢直樹)シリーズは今回で終了」という旨の説明を行った……らしい。そんなことを『日刊ゲンダイDIGITAL』が報じていた。その理由には、主演俳優の堺雅人(46)の以下のような事情が大きく影響している……のだそう。
「堺は高視聴率をゲットして、どんなに評価されようと一つの作品には一切、執着しないことで知られています。
『俳優が一つの役に固執するようになったらおしまいだ。だったら役者を廃業したほうがいい』というのが持論なのです。だから最終回を迎えた『半沢』に何ひとつ未練も執着もしていない。シーズン1から今回の新シリーズまで約7年を要したのは堺にとって全く新しい一つの作品に過ぎなかったからではないでしょうか」(芸能プロ関係者)
もちろん、TBSの「終了宣言」がどこまで本音なのか? あと、堺雅人自身が本当にこうしたポリシーの持ち主なのか、その真偽も定かではない。しかし、超優良コンテンツとは言えども、半沢直樹シリーズは今回あたりでそろそろ打ち止めにしたほうがいいのでは……とは、じつのところ私も内心思っている。
なぜなら、いくら視聴率が稼げるからって、このままシリーズをダラダラ引き伸ばし続けていると「堺雅人の半沢直樹化」、すなわち「演技の歌舞伎化」、正確な表現をするなら「堺雅人=歌舞伎チックな大仰な演技をする役者といった(視聴者側が抱く)先入観の定着化」がますますエスカレートしていくいっぽうであるような気がしてならないからだ。
コイツはたしかに、堺本人がおっしゃる(とされている)とおり、長い目で見ると、一役者としては大変よろしくない兆候だろう。そりゃあ、『男はつらいよ』シリーズの渥美清みたいにウルトラロングセラーを狙い、「渥美清が寅さん以外を演じる姿が全然想像できない」といった境地を目指しているなら、話は別である。そして、実際、堺のあまりに過剰な半沢直樹での怪演と高視聴率が皮肉にも功を奏し(すぎ)、「堺雅人の渥美清化」も間違いなく急速に進行しつつある。
私は、個人的には『南極料理人』や、伊坂幸太郎原作の同名映画『ゴールデンスランバー』とかに出演していたころの、「一見、気が弱くて優柔不断系だけど、案外頑固な一面もある」的な役を演じていた堺雅人のほうが、どちらかと申せば好きだったりする。なのに、(毎回録画して観るほどのディープなファンじゃなかったにもかかわらず)半沢直樹の残像が強烈に脳へと焼き付いてしまい、渥美清同様、もはや「堺雅人が半沢以外を演じる姿が全然想像できない」のだ。
もし仮に、堺雅人が『日刊ゲンダイDIGITAL』による報道どおりの人物像であり、私が推測したとおりに現状を危惧しているなら……半沢直樹という途轍もなく屈強なイメージを払拭するまでには、相当な時間を要するのではなかろうか。歌手や作家なら、一曲バカ当たりすれば一生印税で食っていけるのかもしれないけど、役者さんはそういうわけにもいきませんから……ね?
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