創業から115年以上の歴史を誇る日本生まれのソースメーカー「ブルドックソース株式会社」。東日本を中心に高い人気と知名度を誇るソースブランドだ。そんなブルドックソース株式会社やソースの歴史を、今回は紹介していこう。
■ウスターソースはイギリス生まれ
そもそもソースとはラテン語の“SAL”、すなわち塩に語源を持ち、“塩の供給”を原義としている言葉だ。液体調味料の総称でもあるため、広義には醤油やマヨネーズ、トマトケチャップも含まれているのだが、日本でポピュラーなのはやはりウスターソースになるだろう。
そんなウスターソースが誕生したのは、19世紀の初め。イギリスのウスターシャ地方に住む主婦が、余った野菜や果物を壺に入れ、味つけ用のスパイスや腐敗防止の塩、酢を加えて保存したことから生まれたのだとか。
これがイギリスのソースメーカー「リー・ペリン社」に商品化された際にウスターソースと名づけられ、世界中に広まったのだ。
■ブルドックソース株式会社の誕生
ウスターソースは日本へは明治時代の文明開化で渡来。1887年に「ヤマサ醤油」が「ミカドソース」の販売を開始して以降、さまざまな会社で国産ソースの開発・発売が進められた。
ブルドックソース株式会社は1902年に「三澤屋商店」として開業。当初は食料品の卸売業を主軸としていた。しかし、創業者の小島仲三郎は、家庭に洋食の文化浸透したことからソース製造に将来性を見出し、1905年からソースの製造・販売を開始することとなる。
ちなみに、現在の会社名や商品名に使われていて、会社のシンボルマークにもなっているブルドッグは、大正時代の末期から登場。イギリスのシンボル犬として愛されていたブルドッグが日本でも注目されるようになったことから、自社のソースがブルドッグのように広く愛されるようにと願いを込めてマークに採用したようだ。
■日本人好みを目指したソース開発
ソースは世界各国で独自の進化を遂げており、フランスなどのヨーロッパの国々においては、料理ごとに専用のソースが作られるほど重要視されている。
日本でもウスターソースをベースとして、日本人の舌に合わせたソースの開発が各社で進められた。ブルドックソース株式会社では、本場イギリスのように料理の風味づけや隠し味で使うのではなく、料理に直接かけるためのソース開発を志向。野菜や果実を用いて甘味や旨味を強調する形で改良を行い、見事に多くの支持を得ることとなった。
ブルドックソース株式会社は現在も、変化していく食生活に合わせた新商品の開発に意欲的に取り組んでいる。
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