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映画通を唸らせたいならこの男を語るべし…演技派オヤジ“デンゼル・ワシントン”映画3選


※画像はイメージです


 



■『マルコムX』:歴史的な黒人解放運動家の人生を描いた、社会派ドラマでブレイク!!



 



デンゼルの名を一躍有名にしたのは、1993年公開の映画『マルコムX』だろう。白人による差別を憎み続けた、実在の人物マルコムXを演じた彼は、アカデミー主演男優賞にノミネートされている。



 



あらすじはこうだ。少年マルコムは、白人に父を殺された過去を持つ。黒人を取り巻く苛烈で残酷な現実に打ちのめされ、一時は刑務所に服役したマルコムだったが、そこでイスラム運動組織ネーション・オブ・イスラム、そして多くの学術書に出会い、黒人活動家としての人生を歩み始める……。



 



失望と挫折を繰り返しながらも、くじけることなく最後まで黒人の復権を声高に訴え続けたマルコムX。移り行く彼の人間性をしっかり捉え、それを演技にも反映させるテクニックは、さすが賞に輝いただけある名演だ。



 



 



■『トレーニング デイ』:自身のイメージを払拭する、凶暴な悪徳ベテラン刑事役が話題に!!



 



正義を胸に、静かに燃える硬派な役どころが多かったデンゼル。しかし2001年公開の本作において、そんなパブリックイメージを打ち破るような悪徳警官役を熱演し、大きな話題を呼んだ。



 



ロス市警の新人刑事ジェイクは、麻薬捜査課への転属が決まり、ベテラン刑事アロンゾの下につくことになる。しかしアロンゾは、暴力捜査は当たり前で、手柄になる大物犯罪者しか眼中になく、悪党から金まで奪うなどやりたい放題。ジェイクは自身の正義感と、アロンゾの語る泥臭い正義感の間で苦悩してゆくことになる……というのが、本作のストーリーだ。



 



相対するギャングでさえも怯えさせる、狂犬刑事アロンゾの凶暴性を見事に演じたデンゼル。自分の理を暴力的に通そうと迫ってくる演技は、正直いって、本当に怖いものがある。このひりつくような演技が評価され、彼は本作でアカデミー主演男優賞を受賞した。



 



 



■『イコライザー』:圧倒的“正義”で弱きを助け悪を挫く、孤高の私刑人!!



 



骨太なドラマへの出演が多かったデンゼルも、2010年代に入ると、娯楽作にも好んで出るようになる。なかでも、その圧倒的な強さと揺るがぬ正義観で多くの観客を魅了したのが、2014年の『イコライザー』だ。



 



ボストンのホームセンターで働くロバート・マッコールは、温厚で誰にでも愛される好人物。しかし、夜のダイナーで知り合った売春婦の少女が、ロシアンマフィアから残虐な暴行を受けたことを知ったとき、マッコールは自身に眠るCIAの特殊工作員としての戦闘技術を解放させ、世にはびこる悪の断罪を決意する……。



 



「ナメていた相手が超ヤバい人だった」という痛快アクションでありながら、デンゼル演じるマッコールが悪へ向ける眼光は、まるで光を失った仏像のよう。そして、一切ブレることがないそのマインドは、狂気的な魅力を放っている。善悪が曖昧になった現代に、デンゼルの重厚な演技から繰り出される“正義”は、見ているだけでシビれるカッコよさだ。


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