総務省の労働力調査によると、国内の非正規の職員・従業員は2000万人を超えています。「役員以外の雇用者における、正規・非正規社員比率」でみると、5割を超える女性が非正規社員として働いている現状。そしていま、派遣社員として働く女性の厳しい現実がSNSで話題になっています。
あたし派遣社員ですけどね。
最低賃金1500円とか、非正規をすべて正規にとか、嬉しいけどやっぱりすぐには無理なんじゃないかなと思うんです。
でも。せめて。
派遣にも交通費支給してもらえませんか。
派遣でも正社員並みの健康診断受けさせてもらえませんか。
それ法制化してもらえませんか。
—ともこ (@tomoko23j) 2019年7月14日
交通費が出ないことで仕事の選択肢が減ることや、最低限の法定健診しか受けられない健康診断について切実に訴えたともこ (@tomoko23j)さん。じゅうぶんな健診を受けようと思ったら有料オプション、あるいは別途自分で医療機関で受診しなければならないこと、少ないお給料の中から、オプション健診の費用を負担し、健診を受けるために仕事抜けた分のお給料を引かれるのが負担であることを投稿しています。これに対し、ネット上では賛同の声が多く集まりました。
「非正規でも正社員と仕事内容変わらない場所もあるのに格差がつきすぎ。せめて交通費ぐらい労働者全員に義務化するべき」
「めっちゃわかる。時給1000円でも、交通費で往復2000円くらいしたら8時間労働で時給750円になります」
「パートだけどまさに交通費込み。 遠いから1時間分の時給が交通費で飛ぶ」
「雇用期限3年制限も撤廃してほしい」
「ほんと、派遣法ってなんなんだ…」
多くの人が投稿している「派遣法」について調べてみたところ、「派遣法」とは、派遣社員の雇用の安定や、キャリアアップを主な目的として、派遣社員の権利を守るために施行された法律のこと。
2015年の派遣法改正で、派遣労働者が同じ組織(部署)で働くことができる期間は3年間が上限となりました。3年経過したのちは、派遣先企業で正社員になるなどの流れが想定されているようですが、現実はもう少し厳しいことが分かります。
待遇についても、派遣労働者と派遣先企業の正社員との間で待遇差が生じないよう、派遣会社は配慮する義務があるようですが、こちらも、まだまだ待遇差に悩んでいる派遣労働者の方が多いのが現実のようです。
企業によっては正社員並みの待遇を受けらえるところもあるようですが、少数派のようで、ともこ (@tomoko23j)さんはこう投稿しています。
派遣会社、何社も登録して実際にお仕事したのは4社ですが、健康診断は手厚いところから法定健診のみのところまで様々、賞与と交通費はどこも支給なしです。賞与と交通費は、派遣では支給ないのが標準のようですね。
非正規労働者の待遇の厳しさに多くの同じ境遇の人々共感する一方で、実は正社員でも企業によっては満足な福利厚生を受けられていないというケースもあるようで…
「正規雇用でもは35歳過ぎないと採血検査すら受けさせてくれない」
これを知ったともこ (@tomoko23j)さんはこう続けています。
正規とか非正規とか専業主婦とか関係なく、年齢や性別に相応しい健康診断を誰でも無料で、せいぜい数百円から千円程度の負担で受けられるのでなくちゃ「健康で文化的な最低限度の生活」が保証されてるとは言えないのでは
少数派ではありますが、こんなに恵まれた派遣労働者も存在するようです。
「私が働いてた大手派遣会社は、有給・無料の正社員並みの健康診断ありました。交通費を支給・有給・健康診断付きの派遣会社もあります」
正社員も派遣社員も、すべての労働者が「健康で文化的な最低限の生活」ができるような社会はいつ来るのでしょうか。