■そもそも、たい焼きの始まりって?
近頃では、その魅力が外国人にも伝わり、海を越えて愛され始めているたい焼きですが、その歴史は明治時代にまで遡ります。もともとは、今川焼きや大判焼き、回転焼きなど、さまざまな名前で今でも愛されているあんこ菓子が、たい焼きの原型となっているんですね。
1909(明治42)年に浪花家総本店を創業した神戸清次郎も、初めは今川焼きを販売していたそうなのですが、一向に売れなかったそう。そこで「めでたい」にちなんだ鯛の形にしたところ売れるようになり、定着していったとする説が有力なのだとか。
なお浪花家総本家は、あの有名な楽曲「およげ!たいやきくん」のモデルになった店としても知られています。
■たい焼きの“天然”・“養殖”って?
いくつも並んだ型に、生地を流し込んで餡を載せ、もう片方の生地と合わせて焼くというのが、よく知られているたい焼きの作り方。量産タイプのこのたい焼きを「養殖」と呼ぶのに対して、1個ずつの金型を使って焼き上げる「一丁焼き」のたい焼きのことを「天然」と呼ぶそうです。
この名付け親は、「天然」のたい焼きの魚拓を採るのが趣味で、『たい焼の魚拓』という本まで出版している写真家・宮島康彦氏。宮島氏は、シャレで「天然」と呼んだところ広まったそうで、決して“「天然」こそが本物でおいしい”と言いたいわけではないとのこと。
非効率的な「一丁焼き」は、一時期絶滅の危機にあったそうですが、手作り感の強いこのたい焼きに魅力を感じる人が増えたようで、今では「天然」のたい焼きを扱う老舗に行列ができていたり、「天然」を売りにするチェーン店まで登場したりしているそうです。
■新時代の斬新なたい焼きって?
もちもちとした食感の白い皮を使ったり、中に甘くない具材を入れたおかず風のものが出てきたりと、独自の進化を遂げているたい焼き。そんな個性派たい焼きの代表として挙げられるのがパフェタイプです。
フードリヴァンプの「鯛パフェ」は、餡がぎっしり詰まったたい焼きが、大きく口を開けており、その上に生クリームや果物が乗せられているという逸品。和と洋が合わさった新感覚のスイーツとして人気なのだとか。見かけた際には、ぜひご賞味あれ。