アラフォーで訪れた結婚の機会。相手も性格はいいし優しいし申し分ない。ところがいざというとき、彼が発したひと言で、「彼の本心を見た」と結婚をやめた女性がいる。
■彼からの熱烈プロポーズを受けて
そもそもは、それほど結婚願望が強いわけではなかったとリカさん(39歳)は言う。だが2年つきあった5歳年下の彼は、「どうしても結婚したい」と言い張った。彼はバツイチで、最初はもう結婚などしたくないと考えていたそう。だがリカさんとつきあううちに考えが変わったと熱弁をふるった。
「この先の人生を考えたとき、リカさんなしではいられない。結婚してほしいって。熱烈にプロポーズされて、私もその気になっていきました。子どもは産めないかもしれない、それでもいいのかと尋ねたら、大事なのはリカさんの存在なんだ、と。そこまで言われたらやはりうれしいですもんね」
自分の人生にあなたが必要なんだ。これは究極のプロポーズの言葉かもしれない。しかも2年間の交際期間中、彼は常にやさしく、信頼感も強かった。結婚を断る理由は見当たらなかったのだ。
「彼とならうまくやっていける。そう確信していました」
■彼の友だちのパーティでの衝撃
婚約後、彼の友だちがパーティを開いてくれることになったと連絡があった。
「私の友だちも呼んでほしいと言われ、仲良しに声をかけました。総勢30人ほどでレストランを借り切って。楽しみにしていたんですよ。そのとき、あの悪夢のようなことが起こったんです」
パーティは和やかで楽しいものとなった。最後にふたりがスピーチをすることになっていた。
「私は彼と一緒に歩む人生が楽しみであること、友人たちには本当に感謝していることなどを話しました。彼も最初は穏やかに話していたのですが、最後に『彼女も、人生で一度結婚くらい経験しておいたほうがいいと思うんです』という言葉が。私も『え?』とびっくり。私の友人たちもざわついた。でも彼はまったく何も感じていないようでした」
パーティ終了後、彼女の友人たちは「なに、あれ」「リカ、これでいいの?」と大騒ぎ。そこへ彼がやってきたので、リカさんはどういう意味なのかと真意を質した。
「彼は、『え、なにが?』とまったくわかっていないようす。横から彼の友だちが、『リカさん、やっと結婚できるんだから彼に感謝しないとね』って言って去って行ったんです。私たちは『はあ?』という感じでした」
一触即発の雰囲気になりかけたが、一応、おめでたい場だからと彼女は我慢した。だがどう考えても、彼は友人たちにも「結婚してやるんだ」と言っているに違いない。私は結婚して「もらう」わけでも、結婚して「あげる」わけでもない。問題なのは、彼が私を対等に見ていないことだと結論づけた。
「それを彼に言いました。彼は『そんなふうには思ってないよ』と言い訳していましたが、それならなぜ彼の友だちまであんなことを言うのか。彼が友人たちに『オレが年上の彼女と結婚してやるんだ』ということを言っているからに違いないでしょ。あなたは私を対等に見てないよね、というところから大げんかになりました」
結果、どうにも納得のできないリカさんは婚約を破棄。彼の友人たちに向けて、「女性を対等に見ていない男性に幸せは訪れません」とパーティ時に作ったグループでのトークアプリを使って語った。彼女の友人たちは「そうだそうだ」と同意の嵐。彼の友人たちは沈黙し続けたという。
悪意はなかったとしても、男のひと言に「女を下に見る」気持ちが透けてみえる事態はよくある。男性たちがそれを理解しないと、本当の意味で互いが幸せになる対等な関係は作れないのではないだろうか。