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子どもを怒鳴り散らす妻の声に耐えられない…疲労困憊な夫の悲鳴




 



帰宅すると、妻が子どもを怒鳴り散らしている。宿題を忘れたとか塾をサボったとか、夫から見れば「子どもならやるよな」ということばかり。だが妻の怒りは容易にはおさまらない。



 



 



 



■子どもを人質にとられている気分



 



 



帰宅したら、妻や子どもの笑顔を見たい。多くの男性たちはそう考えている。



 



 



「ところがうちは毎日のように妻が子どもたちを怒鳴っているんですよ。11歳と9歳の双子、3人の男の子がいるから大変だとは思うけど、あんなにキーキー言わなくてもいいのになと思う。『家の外にも聞こえてるよ』と言うと、『私を怒らせるこの子たちがいけないの!』って。息子たちと目配せして、なんとかおとなしくさせるんですが」



 



 



ユタカさん(43歳)はため息をつきながらそう言う。子どもたちがもっと小さいときは、妻の体罰もひどかった。偶然見てしまったユタカさんが力尽くでやめさせたが、そのとき妻は「私は世界でひとりぼっちだと思う」とつぶやいた。



 



 



「それから僕はなるべく早く帰って、洗濯や掃除などの家事をやるようになりました。妻の負担を少しでも軽くしたくて。妻を抱きしめて体罰だけはやめてほしいとも言いました。2週間の育児休暇を2回ほどとったこともあります。子どもを妻に預けるのは人質をとられているような気分にもなってつらかった」



 



 



夫婦でカウンセリングにかかったこともある。体罰はおさまったが、今は元気な子どもたちを悲鳴にも似た妻の声が追いかけている。



 



 



 



■子どもへの不満は夫への不満なのか



 



 



ユタカさんは、妻が子どもに怒鳴り散らすのは、結局、夫である自分への不満が高まっているからではないかと考えた。ただ、そういう側面もあるものの、妻本人の考え方にも一因があるとカウンセリングにかかってわかったことだった。



 



 



「僕は知らなかったんですが、妻の母親がそういうタイプだったらしい。妻が20歳のときに病死しているんですが、彼女は母親との関係を整理できないまま自分が母になってしまった。しかも子どもは全員男の子で、理解の範疇を超えるところもある」



 



 



ユタカさんは学校へも自ら赴き、子どもたちの様子を定期的に聞いている。元気がいちばんだと思っているユタカさんにしてみれば、学校では「元気で問題ない」と言われて一安心だった。



 



 



「それでも日常的に接している妻は、もっといい子であってほしいんでしょうね。大人の思う“いい子”である必要はないんだけど、いい子のほうが管理しやすい。でもそれは子どものためにはならない。一緒に家事をやりながら、妻にはときどきそういう話をしています。一方で子どもたちが大きくなってきたので、おかあさんに怒られるようなことはしないこと、おとうさんと一緒のときは危険なこと以外何をしてもいいからと言い聞かせている。たぶん、うちの子たちは早く大人になるでしょうね」



 



 



ユタカさんは日々、疲労困憊だという。それでも妻が子どもたちを叱り続けることに耐えられない。だから残業をせずに集中して仕事をこなして実績を上げ、家でも必死で家族を支えている。



 



妻の金切り声を聞かずにすむために。


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