念願の『NHK紅白歌合戦』への初出場を果たして数日しかたっていないタイミングで、ムード歌謡グループ「純烈」のメンバーである友井雄亮さんによる衝撃的なニュースが報道されました。
報道によると、友井さんは過去に交際していた女性に暴力をふるって大ケガをさせていたうえに、何度も浮気を重ねては相手の女性への暴言を放っていたとのこと。妊娠後、流産をした女性に対し、「逆によかったやん」という心ない言葉を放ったと言います。友井さんは、今回のDV事件が発覚した後、謝罪し、芸能界を引退しましたが、後味の悪いニュースとしていまだにモヤモヤしている人も多いのではないでしょうか。
夫婦や恋人の間での暴力であるDV(ドメスティックバイオレンス)は、被害者の保護と自立支援を目指して2001年に法律も成立したように、ゴシップの枠を超え社会的な問題となっていることのひとつです。具体的には、殴る、蹴る、投げる、ぶつかる、道具を使って叩く、縛るなどの身体的暴力を指します。
一般的にも、DVは「婚姻を継続しがたい重大な事由」となり、離婚が認められる理由にもなるもの。パートナーから暴力をふるわれることが一度でもあった場合、基本的には「この人はこういう人間なのだ」とハッキリと認識すべきでしょう。
私の経験した相談者のなかには、夫からのたった一度の暴力にも「今度、暴力をふるったら慰謝料●●●百万円を支払って離婚していただきます」という同意書を作成していたケースもあります。
また別のケースでは、命の危険が迫っているほどの激しい暴力をふるわれていたにもかかわらず、「暴力をふるわないときは、いい夫でありいい父親なの。悪いのは私のほうかもしれない」と何年も我慢を重ね、文字通り、身も心もボロボロになってしまった女性もいました。
たしかに、今どきのDVには2つのパターンが考えられます。ひとつは、相手にまったく非がないにもかかわらず、なんの脈絡もなしに一方的に攻撃をしてくるパターン。もうひとつは、被害者が無意識のうちに加害者の“DVスイッチ”をオンにしてしまった結果、暴力をふるわれてしまうパターンです。
いずれにしても、何か重大な事件があってからでは取り返しがつかなくなることが多いもの。診断書や暴力を受けた証拠写真、相手の暴力を知る人の証明書、暴力の状況を記した陳述書などを準備しつつ、早急に対応することをおすすめします。暴力をふるう相手と対峙することはとても勇気の要ることのように思えますが、自分を守ることを最優先に考え、行動を起こすことが幸せへの大切な一歩になるのです。