■元旦休業はもはや普通?
2019年元旦、初詣の帰り道──
「長くお祈りしてたじゃん? 何をお願いしてたの?」
「もちろん今年こそ彼氏ができますように!」
「それ、去年も言っていたような…」
「何か言いました? 寒いね、コンビニ行って何か買わない?」
「そうしよ」
「っていうか、がーん、閉まってる…」
開いていると思って行ったお店が臨時休業しているとショックですよね。
働き方改革が進む昨今、飲食店や専門店、スーパーなどの小売業で元旦を休業とするところは来年も増える見込みです。
この流れは実は、先の小話のように“年中無休”を謳うコンビニでも起こっているのです。北海道で広く展開するコンビニエンスストア「セイコーマート」は以前より元旦休業を行っており、2018年元旦はなんと約半分の店舗を元旦休業し、来年も実施予定とのことです。
そもそも、小売業は慢性的な人手不足に加え、ECの発達により売上の下落、更には働き方改革の波で、苦戦を強いられているところが多いのが現実。これってもしかして全国で起こりうることなのでしょうか? ということで、店舗数・売上共に業界トップであるセブン‐イレブンに尋ねてみました。
■王者セブン‐イレブンは元旦休業する?
元旦休業を検討されていますか?
「検討はしておりません」
おぉ、盤石の力強い回答です。
休業しない理由は何でしょうか?
「基本的に、24時間365日の営業がセブン‐イレブンのビジネスモデルであるからです」
非の打ちどころのない回答!
「ですが」
おぉ、なんでしょう!?
「ビルに出店している店舗などは、年末年始のビルの休館日に合わせて休業する店舗はございますが、年末年始に限ったことではございません」
それはそうですね(笑)。御社が、年中無休のサービス至上主義をブランドとしていて、揺らぎのないことはよく分かりました。
■コンビニは“今ここにある危機”をどう乗り越えていくのか?
ということなのですが、熱き理想を掲げていても、上記の
- 人手不足
- 働き方改革
- ECとの闘い
という逼迫した課題は忍び寄っているはず。
ECとの競合で言えば、ECの即時お届けが実現しない限り、「今この瞬間に買いたい」というスピード感において、コンビニが年中無休で営業することの優位性はあり続けそうです。
では、人手不足や働き方改革にはどう対応していくのでしょう? ここの回答になり得るのかもしれない動きが、「無人コンビニ」です。
キャッシュレス決済が進む中、無人レジはAmazon GOやローソンやJR東日本でも既に導入や実験が行われています。セブン‐イレブンもNECの技術協力により、顔認証で来店者を把握してキャッシュレス決済できる実験店舗を12月17日、NECグループが入居する三田国際ビル(東京都港区)にオープンさせるそうです。
正に未来のコンビニと言え、本格導入となれば、24時間365日営業は苦も無く行われるでしょう。今はその直前であり、コストや世論に揺さぶられる過渡期なのかもしれません。であらば、やはり休業を選択する店舗が出ても不思議ではないですね。
ということで結論。温かい肉まんやおでんを確実に食べたい皆様は、開店しているかどうかを事前にチェックしましょう! 良いお年を!