『JOSEISHI.NET』(講談社)が配信していた『【石原さとみさんが答える!】仕事から結婚まで、OL達の人生相談[with]』なるタイトルのコラムが、たまたま目に入ったので、あまり期待せずに読んでみた。女性向けコンサバ系ファッション誌『with』読者が抱くさまざまな悩みに、“憧れ”の大人気女優・石原さとみ(31)がアドバイスを贈る……といった、女性誌では王道とされる構成である。
なぜ「あまり期待せずに読んでみた」のかと言えば、ドラマだけではなくCMでも引っ張りだこ状態な、つまり「最大公約数的な層からの支持を人気の源としている」石原ゆえ、どうせ人生相談に関する回答も、最大公約数的に無難な、ぼわんとした内容に終始しているに違いない……と、勝手に高をくくっていたからにほかならない。
ところが、そんな私の乱暴な予想を大幅に裏切り、けっこうイイことをおっしゃっているのだ、石原さとみ。(まあ、コレはライターさんの力量も大きいのかもしれないが)とにかく発言のひとつ一つが、どれも理路整然としていて、しかも“解決への道筋”がはっきりと示されている。たとえば、以下に抜粋する“石原語録”は、OLではない初老男子の私ですら、残りの人生に十分応用できそうな“秀逸の天啓”であった。
(気分が落ちているときのリフレッシュ法を教えてください、との問いに対して)
「気分が落ちている原因にもよるけれど、もし人間関係で疲れた場合、わたしは人でしか癒せないと思っている。話を聞いてもらったり、逆にその相手の悩みを聞いたり……(中略)相手を励ますためにかけた言葉で、落ち込んでいたはずの自分まで励まされることもあるから、とにかく人と会って話すのがいいと思う」
[ゴメス補足:人はほぼ100%、大なり小なり人間関係で悩んでいるので、自分の悩みを打ち明けたら、それと同様、もしくはそれ以上の悩みが返ってくるもの。たとえ、その“打ち明けっこ”で建設的な意見が出てこなくても、傷口を舐め合うことで、自分の悩みが幾分軽減されるケースは多い]
(人見知りが激しく、コミュニケーション能力がないと嘆く女性に対して)
「(前略)そのままでも、わたしはミステリアスな魅力があっていいと思う。きっと小言とかウワサ話とかを言わないだろうし(=言う機会も少ないだろうし)、その分信用を勝ち取れると思います」
[ゴメス補足:「短所を修正する」のではなく「短所を長所と見なし、それを良い方向に伸ばしていく」といったポジティブシンキングの典型的指導。ノムさんも同じようなことを言っていた。コミュニケーション能力に自信がない人が中途半端に社交性を演じても、他人の目には痛く映りがち]
(石原さんのようなにキレイで透明感のある美肌になる秘訣を教えて、との問いに対して)
「“スキンケアをルーティン化しない”ことかな。(中略)日によって肌の状態って違うから、保湿クリームを塗った後、時間を置いてからチェック。それによってはもう1回塗ったり、ケアを変えたりしてもいいかもしれません」
[ゴメス補足:一昔前に流行った「ルーティン」という言葉をあえてマイナス的に使用するキャッチーな名答。読者に「キレイで透明感のある美肌」と称賛され、それを一切否定しないあたりはサスガである]
(大好きだけど結婚願望のない相手との恋愛と、大好きとまではいかないけれど結婚願望もあるし気にかけてくれる男友達、石原さんならどちらを選びますか、との問いに対して)
「わたしならどっちも選ばないかも(笑)。確かに結婚は“2番目に好きな人とするのがいい”ってよく聞くけど、やっぱり1番好きな人としたいよね(後略)」
[ゴメス補足:まったくもって同感。男なんて選び放題っぽい石原ならではの傲慢な言い草としてしまえばそれまでだが、市井の民でも「結婚は1番好きな人とするもの」くらいの夢は抱いてもかまわないのでは? あと5年足らずで還暦を迎える私でさえ、まだそんな夢は捨てちゃあいない]
以上、結論としては「どコンサバ系雑誌が人選した、どメジャーなヒトの意見からも学べることはたくさんある」って事実をあらためて知らしめさせられた、今日の私でありました……。マル!