サッカー専門サイト『ゲキサカ』によれば、
FIFA(国際サッカー連盟)が、テレビ放送局などに向け、「魅力的な女性」のカットを控えるよう要請している
……と7月11日、英メディア『BBC』が報じた……らしい。FIFAで多様性に関する部門(どんな部門なんだw?)を統括するフェデリコ・アディエッキ氏は、
これまで欧州サッカー界で問題視され続けていた人種差別は今大会で「想定していたほどは見られなかった」と指摘。その一方で、女性に対する差別問題が目立っている。
……と捉えている……のだそう。代表的な例としては、ロシアW杯を取材するアナウンサーが放送中に声をかけられたり、女性ファンが性的な言動を強いられたりしたというもの。加えて人種団体の調査では「ストリートで見られた性差別」への抗議のうち、メディアでの女性の扱い方についてのものが約10%を占めていたという。
おそらく、冒頭の「要請」は「メディアでの女性の扱い方」をFIFAが重く受け止めたうえでのものなんだろう。要は、日本で例えるところの「美人過ぎるサポーター」的な報道に苦言を呈しているわけで、極論で言えば
「魅力的な女性だけじゃなく地味な女性も、ひいては魅力的な男性や地味な男性もちゃんと均等に掲載してくださいよ」
……ってことである。W杯にかぎらず、なんらかのイベントが「こんなに盛り上がってます!」と報じる際、かぎられた枠内でその実状をなるたけ効率良く表現するには、とりあえず“目立っているヒト”にスポットをあてるのが、もっとも手っ取り早い“まとめ方”であり、その結果として「美人」「露出度の高い女性」「派手なペイントやコスプレで完全武装した女性」に注目が集まるのは致し方ないのではないか……と、私なんかは思うのだけれど、ミートゥーな目線で語るなら、こーいうのもこれからは、より厳しく弾圧されていくんでしょうな……。
まあ、コイツはもう世界レベルで押し寄せつつある風潮で、今さらムキになって抗うだけの強い動機も気力も私にはない。たしかに「美人過ぎる〜」なるキャッチコピーは、すでに消費され尽くしている感が否めないし、そもそもが品性に欠けている。そろそろ封印してもいい頃合いなのでは……と、私も薄々嫌気がさしていた。「奇天烈過ぎるサポーター」とでも使用ワードをちょこちょこっとイジっただけで、「美人で露出度の高くて派手なペイントやコスプレで完全武装した女性」のフォトも随分ニュアンスが変わってくるのではなかろうか?
ただ、この手のジェンダー系問題を目の当たりにするたびに、いつも似たような疑問を抱いてしまうのだが、
「なぜ、FIFAは“取り上げる側”ばかりを攻撃して、“取り上げられる側”には一言の注意もしないのだろう?」
つまり、メディアばかりに(やんわりとではあるが)無理難題を突きつけるだけじゃなく、「美人すぎるサポーター」たちにも「あまり世の男性の好奇な目を集める扇情的な服装はやめましょう」と注意を促してほしい。ミスコンを否定するなら、主催者側と同時にエントリーを志願する女性側にも「アナタたちのやっていることは男女差別を助長する前近代的な愚行です」と“教育”すべきだと、私はささやかながらに主張したいのだ。