ご存知だろうか。今、iPhoneで「ナンパ」されたり、不愉快な画像を送りつけられたりする“事案”が起きている。原因はiPhoneの機能「AirDrop」(エアドロップ)にあるが、そのカラクリとは……。
■「サイバー露出」の手口とは…
AirDropとは、近くのiOS端末と写真・ビデオ・書類・URLを共有する機能。同じWi-FiまたはBluetoothに接続されていれば、お互いに連絡先を教え合わなくともよい。一見すると便利だが、設定次第で悪用されることもある。
iPhoneユーザーなら、無線の接続時に「◯◯のiPhone」と他人の名前が目に入り、ドキッとした経験があるかもしれない。もちろん、ドキッとするのは他人も同じだ。街角や電車の中で、意図せず他人に本名を“教えている”可能性は高い。周りに人が少ない場合はなおさら危険で、そこから個人特定、ナンパにつながるリスクは急上昇する。実際、電車内で「◯◯さんですよね」と声をかけられた事案も報告されているのだ。
そしてついに、AirDropで見知らぬ女性にわいせつ画像などを送りつける不届き者も現れはじめた。BBCの報道によると、ロンドン市内で電車に乗っていた女性のiPhoneに、局部の写真が送りつけられる事件が2015年に起こったという。女性は画像の保存を拒否したものの、保存前のプレビュー画面を見てしまったらしい。
こうした事件は、ネット上で「サイバー露出」「AirDrop痴漢」とも呼ばれ、日本国内でも起こっている。自分のメールアドレスや写真を送りつけてくる場合もあるという。NMB48・山本彩さんも、新幹線車内で他人の座席番号の写真が送られてきた、とTwitterで明かしている。
■初期設定、変えてますか?
皆さんはiPhoneの初期設定を変えているだろうか。「サイバー露出」「AirDrop痴漢」から身を守るには、まずiPhoneの個体登録名を本名からニックネームなどに変えよう。これは、「設定」→「一般」→「情報」→「名前」から調整できる。女性の名前だと痴漢に狙われる可能性があるため、中性的な名前にするのが安心だ。
合わせて、ファイルの共有範囲も制限しよう。範囲を「すべての人」に設定している場合は、「設定」→「一般」→「AirDrop」から「受信しない」「連絡先のみ」のどちらかに変えるべきだろう(「連絡先のみ」だと連絡先に登録している相手のみファイル共有可能)。
AirDropとは無関係だが、他人に覗き込まれないようスマホの画面にシールを貼るなど、「ハード面の対策」も重要だ。実際、Twitterのアカウント名を覗き込み、アカウント情報と紐づけたうえでナンパする事例もある。
便利な機能も、設定次第で大きなリスクを生む。設定を見直し、安全に利用してほしい。
※2018年5月17日時点の情報です