「時事・芸能・映画・音楽・アニメ……ほか、最新のニュースを取り上げていくこと」をコンセプトとする総合情報メディア『ENCOUNT』が、『会計時に財布を出す彼氏にドン引き 27歳女性の主張に格闘家も苦言「自分をなんだと思ってんだろう」』なるタイトルの記事を配信していた。
(「27歳女性」と「格闘家」の接点も含め)この見出しだけから、その内容を解読するのは(私には)困難だったので、さっそくクリックしてみると……なんとなく、こーいうことであるらしい。
ここ数日話題になっているのが、登録者数約92万人の女性人気YouTuber・きりまるさんの、とある動画──「【女子会】姉妹で異性のドン引きエピ語ったらみんな面白すぎてガチで涙止まらんwwww」と題し、25歳のきりまるさんと27歳の実姉が主張を述べる映像で、(2月8日の時点で)168万回再生となっている。
動画内では、彼女らが
「彼氏が会計時に財布を出していると引く」
「おつりのお札の確認を店員と一緒にしていると引く」
「3円のおつりをレジ横の募金箱に入れないと引く」
……といった意見を語っており、これらに対して格闘家や男性YouTuberといったヒトたちが
「どういう神経したらこんなふうになんだろうこの子達 自分をなんだと思ってんだろう」
「飯は誰と食うかで変わるで。そいう人達としかご飯行ってないんやろうなぁ」
「財布を出して お金を出して 引かれる 今時のスマートな行動が知りたい 女心を勉強中だからマジで教えてくれ 男心としては・・・」
……などのツイートを寄せていた。
同記事のサムネイルには、きりまるさんと実姉の写真が掲載されている。なかなかに可愛らしいお嬢さんたちであった。
最初の「彼氏が会計時に財布を出していると引く」というくだりのみを見たら、昨今のZ世代あたりのあいだではスタンダードとなりはじめているそうな「割り勘の推奨」みたいなことを言っているのかと思った。が、残り二つを見てみると……いささか雲行きが怪しくなってくる。どうやら彼女たちは「彼氏(=男性?)に奢ってもらう」のは大前提であって、そのうえで「お金の支払い方」にも “注文”をつけている様子なのだ。
「じゃあ、現金オンリーのお店では、どーすりゃええねん!?」「店員さんがおつりを数えているときは後ろを向いてなきゃいかんのか?」「奢らされた挙句、募金まで強要されるんかい?」……と、文句の一つや二つは返したくもなるだろう。格闘家さんや男性YouTuberさんが憤る心情も理解できなくはない。
ただ、女子側のこうした一連の主張を「鼻持ちならない!」と一刀両断するのは簡単である。が、ここに
「お金をやりとりする生々しいシーンを見たくない」
……といったメンタリズムを付け加えれば、微妙に文脈は変わってくる。なるほど、イマドキのヤングたちは「奢る・奢らない」問題以前に、
「なにかを購入する際、わざわざ財布から現金を取り出すという行為がダサい、面倒くさい」
……なんて風に考えているのではないか……と。
したがって、今回登場したきりまるさん姉妹(世代)にとっては、
「支払いはクレジットカードや、PayPayに代表されるコード決済が当たり前」
「クレジットカードも財布ではなく気軽なパスケースとかに常備しておく」
「そもそも現金払いしかできないお店を選ぶこと自体が論外」
……的な感性が徐々に育まれつつあるのかもしれない。
以上のような推測が仮に「正解」だとしても、それが良いことなのか悪いことなのか、私にはわからない。けれど、このような
「キャッシュレスで日々を生きる世界」
……が、大波のごとく我々を飲み込もうとしていることだけは、間違いのない事実であろう。
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