「チェンソーマン」の主人公・デンジの上司で憧れの人物でもある、ミステリアスな女性・マキマ。彼女の思わせぶりな発言に翻弄させられた読者も多いだろうが、その正体は想像を絶するものだった……。今回はネタバレありでマキマの正体について解説していく。
■優しくも棘がある、謎多き女性
本題に入る前にマキマの初期設定やイメージについておさらいしていこう。彼女は公安対魔特異4課のリーダーであり、内閣官房長官直属のデビルハンター。チェンソーマンへと変身したデンジを優しく受け止め、「人として私に飼われるか」と彼を公安のデビルハンターに誘ったことが本作の始まりだ。
デンジが公安に入った後は基本的に優しく接するものの、「使えない公安(ウチ)の犬は安楽死させられるんだって」などと脅す場面も少なくない。そして、目的のためならば手段を選ばない性格でもあり、ヤクザに対して彼らの親族の目を脅しの道具に使うなど非道な一面も見せた。
またマキマの契約している悪魔も謎のまま。作中では罪人を生贄に遠隔地から敵を殺害したり、動物を操って情報収集したり、殺されても死ななかったりと不可解な面が目立ち、不審に思った読者も多かっただろう。
まとめると、当初は魅力的なお姉さんキャラとして登場したが、徐々に怪しい描写が増えていった……というのが、読者がマキマに対して抱いていたイメージだったと言っていいだろう。
■マキマの正体は「支配の悪魔」
そんなマキマの正体は、「支配の悪魔」。なんとマキマ自身が悪魔だったのだ。
「支配」というとやや抽象的なのでわかりにくいかもしれないが、その能力は「対象を服従させ、意のままに操る」という極めて単純かつ凶悪なもの。作中ではこの支配の能力を使って、動物や他人の身体を操ったり、記憶の改ざんをしたり思考能力を奪取したりするなどの離れ業をやってのけた。エンジェルや早川アキに対しても、「命令を聞かせる⇒契約」と防ぎようのない能力の使い方をすることもあった。このように名前通り、人間も悪魔も思うがままに支配できるのである。
支配は「闇の悪魔」や「永遠の悪魔」と同じように概念的な能力となっているが、この2つとは異なり、支配という言葉は生理的な恐怖を抱く概念ではないかもしれない。しかし、人間社会で横暴な為政者が増えるにつれて、人々が理不尽な支配をさせない努力をしてきた歴史があるからこそ、逆説的に支配への恐怖は増大していったと考えられる。そして、人々が支配に対して恐怖を抱けば抱くほどマキマの力が増大することにつながるのだ。
そんなマキマは、耐久面で言うと普通の人間クラスではあるため、銃で撃たれる、刃物で刺されるとあっさりと死ぬ。実際に作中でも何度か死んでいたのだが、その度に復活していたのは先述したとおりだ。
これは内閣総理大臣との「マキマへの攻撃は適当な日本国民の事故、病死に変換される」という契約によるもの。つまり、マキマが死ねばその都度ランダムに日本人が死を肩代わりすることを意味しており、実質的にマキマは不死と化しているのである。そして、別の見方をすれば、マキマは日本国民を人質に取っているとみなすこともでき、日本全体を影で支配していると捉えることもできる。
有無を言わせない絶対的な能力、残機無限のスペック。こんな相手に勝てる者がいるのだろうか……。
■チェンソーマンの力で理想の世界を創る
そんなマキマの最終的な目的は、チェンソーマンの能力を使ってより良い世界を作ることだった。チェンソーマンの真の能力は、「食べた悪魔の存在を完全消滅させる能力」。マキマはこのチェンソーマンの能力で悪魔の根源的な力となる「人の恐怖」を消し去り、自分好みの世界を作ろうとしたのだった。
そのためには、デンジとポチタの間で結んだとされる「デンジが普通に暮らして、普通に死ぬ」という契約を破棄させる必要がある。そこで普通の人間未満の暮らしをしていたデンジにデビルハンターの仕事や、アキとパワーという家族を与え、 “普通の暮らし”を送らせた。そして人並みの生活ができたところで、アキをデンジ自身に殺害させ、続いてマキマがパワーを殺す。デンジの幸せをすべて奪い、絶望させるという極めて邪悪な手段をとり、ポチタとの契約を無効にしたのだ。
アキとパワーが消え、すべてを失って呆然とするデンジ。一方のマキマは計画がすべて順調に進んだことに喜び、無邪気な少女のように笑うのであった。その姿は人の不幸をあざ笑って、馬鹿にする悪魔そのもの。とてもじゃないがメインヒロインとは思えない外道っぷりだった。
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