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「汗をかけない・かきにくい」「手足の激しい痛み」、もしかしたらファブリー病かも


今年は9月に入っても暑い日が続いている。子どもが普段以上に汗をかいていたら、体調の悪化を感じ、病気かもしれないと疑うだろう。

しかし、子どもの体調悪化の原因が「汗をかけない病気」にあると、なかなか気づけない。子どもが暑い日に動きたがらなかったり、お風呂に入るのをいやがるのは、暑さでなまけているわけではなく、「汗をかけない病気」による症状のためかもしれない。

「汗をかけない病気」(無汗症)に詳しい中里良彦先生(埼玉医科大学 医学部 脳神経内科教授)に、子どもの無汗症のなかでも見過ごしやすいファブリー病についてお話をうかがった。

ファブリー病と診断されるまで、女性は平均約16年かかる
ファブリー病は進行性のため、患者のQOLを保持するためには、早期診断・早期治療が求められる病気だ。

また、ファブリー病は厚生労働省の指定難病であるライソゾーム病の一種。ライソゾームはヒトの細胞の中にあり、不要な物質を分解する役割を担っており、分解に必要な酵素が多数存在している。

ファブリー病は、そのうちの一部の酵素の働きが低下しているために、不要な物質が体の組織に貯まってしまうことでさまざまな症状を引き起こす遺伝性、先天性の病気だ。
ファブリー病の特徴的な症状は、幼児期・学童期には「汗をかきにくい・汗をかけない」といった発汗障害や手足の激しい痛みなどがあらわれる。

そのため、熱がこもりだるさや痛みを訴えたり、運動をいやがったりすることがあるが、それを病気と捉えずに、「体が弱い」「運動が苦手」など“子どもの体質”として見過ごしてしまうことが多い。

ファブリー病のなかでも古典型と呼ばれる病型は幼児期に発症するケースが多いが、症状があらわれてからファブリー病と診断されるまで、男性では平均約13.7年、女性では平均約16.3年(※1)かかるという報告がある。
(※1Mehta A et al. Eur J Clin Invest. 2004;34(3):236-242. )

ファブリー病にも関わらず診断されていない子どもは、長い間、原因不明の倦怠感や高熱に苦しみながら、周囲の無理解に苦しい思いを抱えて生活していることになる。

子どものサインに気付くポイント
(監修:東京慈恵会医科大学 衞藤義勝 名誉教授)

まずは、ファブリー病チェックリストで当てはまる項目がないかを確認してみよう。

子どもの「汗をかけない・かきにくい」という状態に気付くには、子どもの行動を注意深く見ることが大切だ。お風呂に入りたがらない、運動をいやがる、靴下を履きたがらないといった行動はファブリー病のサインかもしれない。

汗をかけないので高温が続く夏の暑い時期は熱中症の危険もある。汗をかけずに体温があがることで疼痛を誘発する恐れがあるため、子どもの手足に痛みが出ていないかに注意を払おう。

もし、暑いときや運動時に疼痛症状が出た場合は、汗をかいて体温を下げることができないので、クーリングする必要がある。しかし冷やしすぎると逆に疼痛を誘発する恐れもあるので、冷やし過ぎにも注意が必要だ。クーリングをするときは、発熱時に氷嚢を乗せる部分(首やわきの下など)を冷やすと効果的に頭に繋がる血管を冷やせる。

エアコンの効いた涼しい部屋にいた夏休み中と比較すると、9月は厳しい残暑の中で過ごさなくてはいけない場面が多い。特に汗をかくことで体温調節をしにくいファブリー病の子どもには熱中症状が出るリスクが高くなる時期でもある。

子どものサインを見逃さないよう、注意深く見守ろう。

【参考】
※ファブリー病について
https://www.fabrytree.jp/summer_cp/
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