一般社団法人日本私立歯科大学協会は、11月8日の「いい歯の日」を前に、幅広い世代(10~70代)の男女1,000人に対して、「歯科診療」および「歯科医師」に関する意識調査を実施した。前回2016年に続く今回は、5回目の調査となる。
新型コロナの影響で人々の歯科診療はどう変わったのか。注目の結果を見てみよう。
その結果、「感染拡大中、受診・健診を控え、現在も実施していない」人が歯科受診で19.8%、歯科定期健診で21.4%に。
いずれも約5人に1人が、受診・健診を控え、現在もなお実施できないままになっている。
その一方で、「緊急事態宣言発令期間中など、一時期、控えたが、現在はすでに再開・実施した(治療再開あるいは開始)」人も一定数おり、歯科受診・歯科定期健診ともに18.9%となっていた。
「控えたい/できれば控えたい」と回答した方(617人)にその理由を聞くと、「口をあける必要があるため、感染リスクがあると思うため」(63.2%)、「歯科医師や歯科衛生士と近い距離で治療や検査を受けるため、感染リスクがあると思うから」(54.0%)などの回答が目立った。
感染を懸念して、歯科受診や健診に消極的な姿勢を見せる人が多いようだ。
しかし、2020年9月時点で、歯科医院で新型コロナウイルスの感染は起こっていない。
このことを知っていたかを聞いた質問では73.8%と大多数が「知らなかった」と答えている。
「マスクをするようになって、歯の健康や口臭を気にすることが減った」(25.4%)という人も約4人に1人という結果に。
このほか、コロナ禍で、「在宅時間が増えて、間食や、晩酌など、食べたり飲んだりしている時間が増えた」人も4割以上(43.3%)おり、新型コロナウイルスの感染拡大状況下は、歯や口の中の健康を損ないやすい環境にあるといえそうだ。
コロナ禍では、マスクの着用が日常的になっているからこそ、より入念なケアでリスクを回避していくのが重要と言えそうだ。
【参考】
※一般社団法人日本私立歯科大学協会
https://www.shikadaikyo.or.jp/