生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、このたび、「家庭の電気料金」をテーマにレポート。20~40代の女性を対象に、「家庭の電気料金」に関する意識・実態に迫った。
さらに、ここ数年の家庭の電気料金について「上がっていると感じる」と答えた人は、57%と約6割。また、「電気料金が家計の負担になっていると感じることはありますか?」の質問では、41%が「負担に感じることがある」、49%が「現在よりも料金があがると負担に感じる」と回答した。
今回の調査対象のうち、「燃料費調整制度」を知っていた人は、わずか全体の4人に1人(25%)。「再エネ賦課金」が徴収されている事実を知っていた人も、全体の5人に1人(20%)にとどまった。
また、2018年7月には生活者の電気料金にも大きくかかわる、新しい「エネルギー基本計画(第5次エネルギー基本計画)」が閣議決定されたが、この事実を知っていた人はさらに少なく、わずか7%となった。
「第5次エネルギー基本計画」は、2015年に定めた「エネルギーミックス(電源構成)」を前提として、その実現に向けた課題を整理した内容になっている。この「エネルギーミックス」は、再生可能エネルギー、火力、原子力など、特定の電源に過度に依存することなく、さまざまな発電方法をミックスした比率。これにより、燃料価格が上昇しても別のエネルギーにシフトしたり、逆に下落すればそちらを買っておくなどの調整がしやすくなる。「再エネ賦課金」の問題についても、コストの安いエネルギーと組み合わせることが、負担をおさえるうえで重要な要素になると言える。
そして、「第5次エネルギー基本計画」において注目されているのが、「脱炭素」という考え方だ。地球温暖化の原因となるCO2などの排出を防ぐために、石油や石炭などの化石燃料から脱却する「脱炭素」化の流れが世界的に進んでいる中、「第5次エネルギー基本計画」では「再生可能エネルギー」と「原子力」の位置付けを明確にしており、原子力は将来にわたる重要なベースロード電源として、2030年時点での電源構成比率を20~22%としている。また、2050年に向けての対応の中でも、「実用段階にある脱炭素化の選択肢」と位置づけられている。
最も重要なのは、私たち一般の生活者が「電気が安定的に供給されるのは、決して当たり前のことではない」という認識を持つこと。その上で国民ひとりひとりがエネルギー問題のために何ができるか、他人事ではなく自分事としてしっかりと考えていきたい。
【参考】
※トレンド総研
http://www.trendsoken.com/