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【中学受験】「過去問の2周目」は本当に意味ある? プロ講師が“お勧めしない”納得の理由


中学入試関連のSNSなどで散見されるのが、「志望校の過去問を繰り返し解くのが有効」という書き込みです。

普通に考えたら、「答えを暗記してしまうから2周目は意味がない」と思うのが当然ですよね。ところが、この手法が有効な生徒や有効な受験校(入試回)が一部存在するため、入試直前に藁(わら)にもすがる思いで2周目、3周目に貴重な時間を費やしてしまう方が後を絶ちません。

それでは、私たちはどのように過去問に向き合えばよいのでしょうか。

そもそも「入試問題」はどう作られているのか?

少し遠回りにはなりますが、まずは「入試問題」について出題者の視点で考えてみましょう。

「入試問題」には、必ず試験時間や出題範囲が設定されています。その設定枠内で作成した問題で合否を決めるわけですが、受験生が11~12歳であるため、1科目あたりの試験時間は長くても60分という設定になります。

開成中や麻布中などの最難関校では最も長い科目で60分、そのほかの多くの中学校では50分が標準的な試験時間となっています。これは、11~12歳という学齢の児童の集中力持続時間から逆算されています。小学校の授業が45分1コマ、中学校の授業時間が50分1コマで設定されているのも同じ理由です。

もちろん、学齢やレベルが上がるにつれて集中力の持続時間も延びていきますが、それでも高校入試問題の試験時間は1科目あたり60分程度で作問されるのが一般的です。

「単発入試校」と「複数回入試校」で異なる問題の性質

「入試」は選抜テストですから、その趣旨は入試回によって少しずつ変化します。

まず、男女御三家中のように、たった一度の入試で入学者を選抜する入試問題の場合は、入学者として望ましい生徒を選別するための出題になります。そのため、こうした1回のみ入試校では「入試問題=入学者選抜方針=学校の顔」となり、入試問題も非常に特徴的な出題形式となる傾向があります。過去問の2周目という手法は、もともとこのような独自の入試問題を対象とした考え方だったと思われます。

しかし、複数回入試を行う中学校の場合は、入試回(入試日)特有の出題傾向があるので注意が必要です。

一例を挙げれば、首都圏難関中入試の先陣を切る江戸川学園取手中の入試では、12月12日は適性型入試で実施されますが、これは1月9日に茨城県立中高一貫適性検査が実施されることに起因します。

そして、その他の入試日(1月8日、1月17日、1月25日、2月5日)では、4科型(国算社理)または英語型(国算英)を選択する形をとっています。4科型と英語型を選択できるようにしてあるのは、同校が2025年入試までは英語が入試科目として受験必須だった名残です。

同じ現象は東京の2月3日午後入試などでも起こりますが、年度による変更もありますので、必ず入試要項を確認しましょう。例えば共立女子中の2月3日午後入試は、例年は合科型(都立中等教育学校入試形式)で実施されてきましたが、来年度入試からは国算型に変更されます。

上記のように、入試日と入試要項と入試問題は切っても切れない関係ですので、過去問演習をする際には必ず「同じタイプの入試問題」で演習する必要があります。

結論:「過去問の2周目」は必要なのか?

ここで本題に戻りましょう。

「過去問の2周目は必要なのか?」

私の回答は、「答えを覚えているので必要なし」です。

2周目をやる時間があるのなら、オリジナリティーの高い問題を出題する「上位ライバル校の最新年度の過去問」を演習することをおすすめします。

小野 博史プロフィール

準大手中学受験塾トップクラスの指導を皮切りに、教室長、教材部長などを歴任。平成8年、千葉県柏市で中学受験・私立中高専門塾エクセレントゼミナールを設立主宰。講師として35年超、合格率にこだわった受験指導で1000人以上の受験生を送り出す。SAPIX、日能研、四谷大塚などの大手塾の生徒にも個別指導をしており、的確なセカンドオピニオンを提供することで合格可能性を広げ、悔いのない中学受験に導くことを身上とする。
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