
経済ジャーナリスト・荻原博子さんの著書『定年後のお金の悩み、解決します』では、定年後に「年金+α」のお金で暮らすための資産の守り方や活かし方、健康寿命を延ばしてお金を賢く使う生活術をわかりやすく解説しています。
本書より一部を抜粋し、シニア世代が「自分の経験」を活かして仕事を見つけ、低いリスクで起業を考えるためのポイントについてご紹介します。
シニア世代だからこそ活かせる「強み」がある
最近は、高齢者に特化した人材派遣などの分野で、自分たちの世代ならではの強みを活かして成功している人もいます。一般的な派遣会社は、どうしても人材を送ってお金をもらうだけというような仕事になりがちですが、同じ世代の人が運営すれば、働く側の不安や体調を理解して寄り添うこともできます。高齢者の立場を理解できて納得感のあるサービスを行えることが、大きな強みになっているのです。
このように、自分にとって馴染みのある分野、あるいは自分の理解しやすい身近なことをテーマにすると、仕事として働きやすくなります。
例えば、介護の現場で少し働いてみることもその一つかもしれません。将来の自分を重ね合わせたり、自分の親のことを考えたりしながら、身近な問題として向き合うことができます。自分自身の経験や感覚を活かしながら、自分にとってもためになることを考えられるのが、この世代からの仕事選びの面白いところです。
ただし、自分で事業を始めるとなれば、「市場のニーズ」を冷静に考える必要があります。誰かに雇われている間は、仕事があるのが当たり前だったかもしれませんが、自分でやる以上は、世の中が今何を求めているのかをしっかり把握する必要があります。
「今の流行りはわからない」と言わず、世間をよく見て、今の価値観をそのまま受け入れることが大切です。
「低リスク」で自分にできることは何か
夢を形にするためには、具体的な計画も欠かせません。家族や親戚のお金には頼らず、融資を受けられるしっかりした事業計画を練るなど、守るべきルールを一つひとつ踏まえていけば、起業は決して不可能ではありません。
今の時代、一発大当たりを狙うのは、なかなか難しいものです。資本力のある大企業にはまずかないませんし、同じようなことを考えている人はたくさんいるからです。
だからこそ、まずは低いリスクで、自分にしかできないことを考えてみましょう。
そして、ちょっとでも興味があるなら、なるべく早くから頭の片隅で「自分に何ができるだろう」とシミュレーションを始めてみてください。常に考え続けることで、いいひらめきに恵まれるかもしれません。
著者:荻原 博子(経済ジャーナリスト)
1954年、長野県生まれ。明治大学文学部卒業。家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『年金だけでも暮らせます』(PHP新書)『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)など。
