6月といえば「ホタル観賞」も風物詩の一つです。
昔は日本各地でホタルの幻想的な光を鑑賞できましたが、近年は都市化も進み鑑賞できる場所も少なくなってきました。
きれいな水と豊かな自然が残る山梨県は、ホタル観賞に絶好のスポットです。
今回はホタルの情報や山梨県のおすすめ観賞スポットを紹介します。
ホタル観賞の基本情報
ホタルが鑑賞できる条件とは
ホタルといえば、水がきれいな場所に生息しているという印象がありますが、それだけではありません。
ホタルが生息する場所にはその他にもさまざまな条件が必要となります。
- 水流が穏やかまたは全くない場所
- 幼虫の餌であるカワニナがいる
- 水底が幼虫が生活しやすい砂場またはレキ
- 周辺が暗く静か
- 広い川ではなく、小川のような上陸しやすい護岸
上記のような場所に生息しています。また、ホタルが良く見える条件は以下の通りです。
- 月明かりのない曇りの日
- 風が吹いていない蒸し暑い日
逆に月が明るい日は蛍自身の光が目立たないのでよく見れません。さらに気温が低い日や風が強い日、雨が強い日は葉の裏などに隠れてしまうため、ホタル観賞に向いていません。
山梨県はまだ手付かずの自然豊かな地域が多くあり、ホタル観賞の条件に適している場所が残っているのです。
ホタルを鑑賞できる時期とおすすめの時間帯
ホタルが鑑賞できる時期は地域や生息している場所によって異なりますが、 山梨県では6月中が見頃 です。
ホタルが発光するのは交尾の相手を見つけるためであり、日が暮れるとオスは飛び回り始め、葉の上で光っているメスを見つけて交尾に至ります。その季節が6月頃にあたります。
20時~21時頃が最も活動的 で、見つけやすい時間帯なのでおすすめです。ちょうど夕食を食べ終えて、出かけるにも良い時間帯ではないでしょうか。
山梨県で見れるホタルの種類
ゲンジボタル
九州から東北まで ほぼ日本全国に生息 する固有種のホタルです。ゲンジボタルが日本では代表的なホタルといえます。かつて全国各地の清流にはホタル観賞スポットが数多くあり、人々に親しまれていました。
しかし河川の汚れや農薬などの影響により、生息場所は著しく減少してしまいました。
幼虫は主にカワニナという巻貝を餌にしていて、成虫になると体長は1cm~1.7cmほどです。
ゲンジボタルの寿命は1年ほどですが、成虫となり 発光して飛び回るのは10日~2週間程度 とわずかな期間になります。
オス、メスともに発光しますが飛び回っているのはオスで、メスは草木の上で発光し、オスが寄ってくるのを待っています。
ヘイケボタル
ヘイケボタルは日本全国の他、朝鮮半島や中国北部にも生息していて、 日本の固有種ではありません 。
体長が9mm~11mmほどになり、 ゲンジボタルより一回り小さなホタル です。幼虫はカワニナやモノアラガイ、サカマキガイなどの巻貝を餌にしています。
ゲンジボタルとヘイケボタルの違いは、ゲンジボタルは曲線的に飛び回り定期的に強く発光するのに対して、 ヘイケボタルは直線的に飛び、不規則に弱く発光 します。
山梨県のおすすめホタル観賞スポット
一色ホタルの里(身延町)
山梨県南巨摩郡身延町の一色地区にあり、近くには信玄の隠し湯としても有名な下部温泉があります。山梨県内で 最も人気があるホタル観賞スポット で、県内の人々も多く訪れています。
また、一色ホタルの里は、全国でも珍しい 自然繁殖によるゲンジボタルの生息地 です。「ホタルの名所」として自治体も力を入れており、集落内には一色ホタル案内所も設置されています。
6月の土曜日には 「一色ホタルまつり」 が開催され、特産品販売やイベントなどが行われます。
- 住所:山梨県南巨摩郡身延町一色地内
- 見頃の時期/時間:5月下旬~6月下旬/20時~21時頃
- 入場料金:無料
- 交通アクセス:中部横断自動車道下部温泉早川ICまたは中富ICより約10分
- 駐車場:有料駐車場あり
https://www.minolove.jp/soshiki/1/101721.html
万力公園(山梨市)
万力公園は山梨県山梨市の 笛吹川沿いにある都市公園 で「万葉の森」として地元市民に親しまれています。公園内の水路にはゲンジボタルが放流されていて、公園内を散策しながらホタル観賞を楽しめます。
夜間は灯りを減らした園内で、幻想的なホタルと缶灯篭との光の共演を楽しめます。
また毎年6月には 「万葉うたまつりとホタル観賞会」 が開催され、各種イベントや飲食ブースも設置されます。
- 住所:山梨県山梨市万力1828
- 見頃の時期/時間:6月上旬~6月中旬/19時半~21時半頃
- 入場料金:無料
- 交通アクセス:中央自動車道勝沼ICより車で20分、JR中央本線山梨市駅下車より徒歩10分
- 駐車場:公園内に無料駐車場あり
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/gover/public/park-spa/manriki-park/
小田川ほたるの里(韮崎市)
山梨県韮崎市小田川地区にある柳原神社内にある自然公園で、「小田川ホタル愛護会」を中心に、地域住民が一丸となってホタルが住める環境づくりを行っています。
環境省が定める 「ふるさといきものの里100選」 にも選ばれています。
鑑賞時期には 「小田川ホタルまつり」 も開催され、露店の出店やゲンジボタルの鑑賞会、蛍籠(ほたるかご)の手作り教室などが行われます。
- 住所:山梨県韮崎市中田町小田川1259
- 見頃の時期/時間:6月上旬~6月中旬頃/19時半~21時半頃
- 入場料金:無料
- 交通アクセス:中央自動車道須玉ICより車で5分
- 駐車場:無料駐車場あり
https://www.nirasaki-kankou.jp/kankou_spot/shizen/shizen_dousyokubutsu/7622.html
ほたるの里秋葉公園(北杜市)
山梨県北杜市にある小さな公園です。中央自動車道長坂ICの西側にあり、公園脇に流れる衣川でゲンジボタルの鑑賞ができます。
ほたるの里秋葉公園ホタルの会の会員の方々がホタルの住める環境づくりの活動を行っています。
周辺は街灯が少なくかなり暗いので、足元に気を付けて鑑賞をお楽しみください。
- 住所:山梨県北杜市大八田522-1
- 見頃の時期/時間:6月中旬~6月下旬頃/19時30分~21時頃
- 入場料金:無料
- 交通アクセス:中央自動車道長坂ICから車で5分、中央本線長坂駅下車よりタクシーで5分
- 駐車場:無料駐車場あり(約5台)
https://www.hokuto-kanko.jp/guide/6019
ホタル観賞の際の注意事項
ホタル観賞の際には以下のことに注意して楽しみましょう。
- ホタルは 強い光を感じると葉の裏に隠れて しまいます。ライトで照らすほか、カメラのフラッシュは使用しないようにしましょう。
- 大きな声や物音 を立てるとホタルが逃げてしまいます。静かに鑑賞しましょう。
- 鑑賞後、ごみを捨てるのは絶対にやめましょう。ホタルは水のきれいな場所に生息します。 ごみは環境汚染の第一歩 です。
- ホタルが発光して飛び回るのは 10日~2週間程度 とわずかな期間です。きれいだからといって捕まえて持ち帰るのは絶対にやめましょう。
ホタルは大変デリケートで寿命がはかない生き物です。静かに見守るように鑑賞しましょう。
この時期しか見れない幻想的な光景を見に行こう
山梨県のホタル観賞スポットでは、6月中の2週間ほどしか鑑賞できないので、この時期だけの風物詩ともいえます。
自然豊かな山梨県はホタル観賞には絶好の場所です。今年の6月は山梨県へホタル観賞に行ってみてはいかがでしょうか。
nonta
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターを行っています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。